2011年6月の記事一覧

老舗のお煎餅屋さんを舞台に、しばらく家を出ていた娘が帰ってくるという話と、その娘の弟が未来人の登場でうにゃうにゃする感じのお話。

久々のウーマンリブへの岩松さんの出演。
楽しかったなあ。
もういろいろめちゃめちゃだけど、でも宮藤さんにしてはちゃんと決着したお話だった。
お父さんの松尾さんと田辺くんのがんばりがすごくて涙が出そうになります(違う意味で)。
そしてやっぱり全部持っていってしまう岩松さん。
大人計画に出る岩松さんが大好きです。

公演:ウーマンリブvol.12「SADSONG FOR UGLY DAUGHTER」
場所:本多劇場
日程:6月10日~7月10日
作・演出:宮藤官九郎
出演:松尾スズキ・宮﨑あおい・田辺誠一・荒川良々・宍戸美和公・少路勇介・宮藤官九郎・岩松了
座席:D列右ブロック 6,500円
時間:2時間

夏目漱石がイギリス留学した下宿屋を舞台にして、そこに住む人間や、女中のアニー(ベッジ)とのお話。

三谷さんお得意のシチュエーションコメディ。
お得意の勘違いあり、切ないラブストーリーありの、オシャレなお芝居となっておりました。

正直、萬斎が苦手なので、足踏みしたんですが、三谷さんの生誕50周年ということで、見に行くことにしましたよ。
そんなわたしでもそんなに気にならず、最後まで非常に楽しんで見られました。
金之助(漱石の本名)が、周りに惑わされながらも、ベッジに癒されていくのがとてもほほえましく、感情移入して見てました。
深津っちゃん演じるベッジが、学こそないものの、本当に大切なことを知っている加減がいいんだよねえ。
そして浅野さんの芸達者ぶりがここぞとばかりに活用されていて、浅野ファンとしては満足な作品となっております。

公演:シス・カンパニー「ベッジ・パードン」
日程:6月6日~7月31日
場所:世田谷パブリックシアター
作・演出:三谷幸喜
出演:野村萬斎・深津絵里・大泉洋・浦井健治・浅野和之
座席:1階M列センターブロック 9,000円
時間:3時間5分(休憩15分)

最初に断っておきます、長文です。よろしくお付き合い下さい。
公演も無事に終了したので、全体的な話を含め、北区へのわたしの思いを含め、いろいろ書き殴って行こうと思います。

土曜日2公演、日曜日1公演を無事に拝見。
初日はかなり様子見な感じでしたが、だんだんとつか芝居を思い出したのか、神尾さんがぐんぐんと良くなって行きます。
山崎がだんだんと狂気の域へ、そしてそれにつられるように熊田もまた狂気へと誘われていきました。

自分の青春だった60年、70年安保、そして小夜子がいて、充実していた日々。
小夜子のことを単なるスパイで二人の間に愛情は無かったのだと思いたい気持ち。
でも心が触れあっていたと思えた時もあった。でも突き放してしまった。そして殺してしまった…。
そんな思いに踏ん切りを付けようと、熊田にもう一度デモの先頭に立って欲しい、と山崎は懇願する。

また、熊田は自分が仲間を裏切ってしまったことを鎖とし、自分はもう体制側に落ちて日和った生活を送っていることが、ただただ懺悔なんだと思って暮らしていた。
でも妻を殺した、自分の右足を奪った、背中を落とした、機動隊を許したことなんて本当は無かった。
伝説の石、飛龍が泣くたび、革命を続けたい思いと自戒の念が入り交じり、自分を許せなくなっていったのだろう。

そんな不器用な人間達の生きた安保闘争。

登場人物の誰もが馬鹿なまでに不器用で、そして愛おしい。
つかさんの初期の作品はシンプルでそして人間への愛が満ちあふれていて大好きだ。
舞台から来る人間のエネルギーがすごすぎて圧倒される。
膨大に発せられる台詞に重みがあって、本当にどーんとお腹に響く。
演じる方はもちろん大変だが、受ける方も結構体力勝負。

この芝居が上演された当時は風間杜夫、平田満、井上加奈子、石丸謙二郎というキャストだったそうだが、そりゃすごかったんだろうなあ、と容易に想像できる。
岡村さん情報によると、「三浦、平田または、加藤、平田または、長谷川、平田のベアしか存在しない。」だそうです。どうもすいません。これはこれですごかったんだろうし、見たいのは変わりないわけだが。(6/8追記)

今回演じたのは★☆北区つかこうへい劇団の一期生の神尾佑(鈴木祐二)と二期生の吉田智則。そして八期生の渋谷亜紀。
公演を重ねるたびに、昔の口立てしてもらった頃の引き出しが開いてきたんでしょう。
だんだんと良くなってきました。そう、ブレーキの壊れた車のアクセルを踏みっぱなし、っていう感じの、「つか芝居」って感じの、下手なんだけどエネルギーだけは伝わってくるっていうか。いや別に下手じゃないんだけどね。役者の毛穴からエネルギーが発散されて客席まで届いちゃうみたいな。客席も熱を持っちゃうみたいな。
台詞だけじゃないそういう勢いが、久々のつか芝居で、それも北区の芝居で感じられたことが、ものすごく嬉しくて泣けちゃいました。
つかさんはいつも役者の限界を要求して、楽前でもまた油断しないように脚本や演出を変えちゃう、と聞いたことがあります。
役者のギリギリ感をいつも見せようとしていた。「結局最後に表現されるのは役者の人間性なんだよ」と言ってた。
それがあの、膨大な台詞に表現されていたんだなあ、と。(噂によると熊田の一人芝居のところの台詞、原稿用紙10数枚あるそうですよ。)
芝居というものを、日本というものを、本当につかさんは愛していたんだなあ、と実感し、またつかこうへいは本当に死んだのだと、そう痛感しました。

公演:★☆北区つかこうへい劇団解散公演「ALL THAT 飛龍伝 初級革命講座 飛龍伝‘80」
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:6月1日~6月4日
作:つかこうへい
出演:神尾佑・吉田智則・渋谷亜希
座席:3,500円(6/4昼最前センター、6/4夜2列右、6/5夜4列センター)
時間:2時間15分

過去見てきた「飛龍伝」での一平ちゃんと美智子のロミオとジュリエット的な話ではなく、機動隊である山崎一平(神尾)と全学連の熊田留吉(吉田)の二人のお話です。
一平ちゃんが亡くした小夜子という女は、90以降では「神林美智子」というキャラに育っていくわけですが、今回はもっと男くさい話になってました。

すごい台詞量。つかさんの台詞の洪水にうっとり。
ほんと見ておいて損は無いです。おすすめです。
今の北区のみなさんには非常に申し訳ないが、わたしにとっての「北区つかこうへい劇団」はやっぱりこの人たちなのだと痛感。
北区で一番遺伝子を受け継いでいるのはやっぱり智則だったか。

一応公演も始まったばかりなので、ネタバレよけで詳細は続きに。

公演:★☆北区つかこうへい劇団解散公演「ALL THAT 飛龍伝 初級革命講座 飛龍伝‘80」
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:6月1日~6月4日
作:つかこうへい
出演:神尾佑・吉田智則・渋谷亜希
座席:2列センター 3,500円
時間:2時間15分

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