★☆北区つかこうへい劇団解散公演「ALL THAT 飛龍伝 初級革命講座 飛龍伝‘80」

最初に断っておきます、長文です。よろしくお付き合い下さい。
公演も無事に終了したので、全体的な話を含め、北区へのわたしの思いを含め、いろいろ書き殴って行こうと思います。

土曜日2公演、日曜日1公演を無事に拝見。
初日はかなり様子見な感じでしたが、だんだんとつか芝居を思い出したのか、神尾さんがぐんぐんと良くなって行きます。
山崎がだんだんと狂気の域へ、そしてそれにつられるように熊田もまた狂気へと誘われていきました。

自分の青春だった60年、70年安保、そして小夜子がいて、充実していた日々。
小夜子のことを単なるスパイで二人の間に愛情は無かったのだと思いたい気持ち。
でも心が触れあっていたと思えた時もあった。でも突き放してしまった。そして殺してしまった…。
そんな思いに踏ん切りを付けようと、熊田にもう一度デモの先頭に立って欲しい、と山崎は懇願する。

また、熊田は自分が仲間を裏切ってしまったことを鎖とし、自分はもう体制側に落ちて日和った生活を送っていることが、ただただ懺悔なんだと思って暮らしていた。
でも妻を殺した、自分の右足を奪った、背中を落とした、機動隊を許したことなんて本当は無かった。
伝説の石、飛龍が泣くたび、革命を続けたい思いと自戒の念が入り交じり、自分を許せなくなっていったのだろう。

そんな不器用な人間達の生きた安保闘争。

登場人物の誰もが馬鹿なまでに不器用で、そして愛おしい。
つかさんの初期の作品はシンプルでそして人間への愛が満ちあふれていて大好きだ。
舞台から来る人間のエネルギーがすごすぎて圧倒される。
膨大に発せられる台詞に重みがあって、本当にどーんとお腹に響く。
演じる方はもちろん大変だが、受ける方も結構体力勝負。

この芝居が上演された当時は風間杜夫、平田満、井上加奈子、石丸謙二郎というキャストだったそうだが、そりゃすごかったんだろうなあ、と容易に想像できる。
岡村さん情報によると、「三浦、平田または、加藤、平田または、長谷川、平田のベアしか存在しない。」だそうです。どうもすいません。これはこれですごかったんだろうし、見たいのは変わりないわけだが。(6/8追記)

今回演じたのは★☆北区つかこうへい劇団の一期生の神尾佑(鈴木祐二)と二期生の吉田智則。そして八期生の渋谷亜紀。
公演を重ねるたびに、昔の口立てしてもらった頃の引き出しが開いてきたんでしょう。
だんだんと良くなってきました。そう、ブレーキの壊れた車のアクセルを踏みっぱなし、っていう感じの、「つか芝居」って感じの、下手なんだけどエネルギーだけは伝わってくるっていうか。いや別に下手じゃないんだけどね。役者の毛穴からエネルギーが発散されて客席まで届いちゃうみたいな。客席も熱を持っちゃうみたいな。
台詞だけじゃないそういう勢いが、久々のつか芝居で、それも北区の芝居で感じられたことが、ものすごく嬉しくて泣けちゃいました。
つかさんはいつも役者の限界を要求して、楽前でもまた油断しないように脚本や演出を変えちゃう、と聞いたことがあります。
役者のギリギリ感をいつも見せようとしていた。「結局最後に表現されるのは役者の人間性なんだよ」と言ってた。
それがあの、膨大な台詞に表現されていたんだなあ、と。(噂によると熊田の一人芝居のところの台詞、原稿用紙10数枚あるそうですよ。)
芝居というものを、日本というものを、本当につかさんは愛していたんだなあ、と実感し、またつかこうへいは本当に死んだのだと、そう痛感しました。

私の他の感想を読んで下さった方は、わたしがこの二人や初期の北区に思い入れがあるということは分かると思いますが、劇団にいたころの確執なんかも、密かに今回の芝居に反映されてるような気がして(邪推)、いろいろ考えちゃいました。
二人とも多分もう「★☆北区つかこうへい劇団」には出ないと決めていたような気がするのですよ。
でも、今回つかさんの追悼&劇団解散ということで、久々に重い腰を上げこの芝居に臨んでくれた。
その気持ちがなんだかとても嬉しくて有り難かった。

この公演を見て、本当にいろいろな人に感謝をしたくなりました。
「苦しいこと多々ございましょう。こんな時代ですもの」
という友部くんが言う台詞好きなんですよね。
つかさんの愛につつまれたそんな素敵な公演でした。

さて千秋楽レポを。
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簡単な千秋楽レポでございます。怪しげなのでフォローしてくださると嬉しいです。

幕が降りて一転、下手から黒川くん登場。
「○○大待機しております!」の例の口上が始まります。

そこに機動隊と美智子の高野愛さんが「私はいま全教徒40万を率いる神林美智子です。ひくわけにはいきません」と登場。
懐かしき高崎俳句大の及川さん、鹿児島大の友部くんなどなど、聞いたことがある名前がずらずら出てきます。

桂木を演じる北田理道くんが「お前ら何回俺を豚箱に入れれば気が済むんだ!」と登場。
そこに第四機動隊を率いる一平ちゃんを演じる小川智之と18期生が登場。
ぐだぐだな第四機動隊に「こいつらカーテンコールのこと全然分かってないんです」とか言っていたような。

そこに「本物の大物俳優!」というナレーションとともに、我らが、山本亨、第一機動隊の狂犬病こと山本が登場です。
「飛龍伝90」の山本よろしくさらしを巻き、血糊をつけ、手に持ったビールを飲み、ぷはーってビールのしぶきを飛ばしています。
一平ちゃんの元にかけより
「一平ちゃん今バカって言った?俺バカって言われて人三人殺したことがあるけんね、絶対バカって言っちゃいけんよ」
「気をつける」
のやりとりがありました。きゃ〜〜〜〜!!

「飛龍伝90緊急福島原発バージョン」とか言ってたかな?
そこに亜紀ちゃん登場。いつもの華麗なダンス、そして華麗な英語。
「一号機二号機三号機、五号機六号機メルトダウンしています」
原発の話をしていて「つか芝居には原発がいつも出てきます。」とかいうナレーションあり。
智則くんが黒タキ(上着無し)で登場。
「海水を入れろ!入れるんだ!!再臨界を防ぐんだ」と叫んだような叫んでいないような。
全然覚えてない。
「首相の命令を無視し、日本を救おうとした男 福島第一原発所長 吉田昌郎」などと紹介がありました。
あー吉田繋がりか?

そしてセンターより神尾さんがDr.真木の格好(変なやっつけ眼鏡&黒スーツ。。あれ?ヒゲそった?)で登場。
「福島原発は私とは関係ありません」とかなんとか。
内ポケットから出てきたのは、キヨちゃん!!!!
そして久々の殺陣キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!きゃーーーーーーーーーーーー!!
キヨちゃんを操作し次の一平ちゃんの小川くんに握手させてました。

「初日まであと38時間、間に合うのか?」というナレーションがあったような。

もう亨さんが出てきたところで、テンションあがっちゃって、あんまりよく覚えて無くてゴメン。
だって亨さんのあのやり取り聞きたかったんだもの。
真木さんはただひたすらかっこよかったです。
よく、ああテンション低く抑えられるね。

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以下、この千秋楽カーテンコールに関する私の個人的な毒舌を含む感想。
90・2001を見る方は回避したほうがいいかもよ。

この飛龍伝90の予告篇。

見た人が目にとめたのは、きっと亨さんと、最後の3人だと思うんだよ。なんでこういう風に作ったかなあ(苦笑)。
まあ予告篇だったら次回のものを入れるのが普通だとは思うんだけど、力量の差がわかりすぎちゃったんじゃないのか?

これ見たあとじゃあ、少なくとも私はあのキャストの飛龍なんて見たくないよ(爆)。
わたしの場合、智則くんがやめて、友部くんがやめたときには、すでに北区の公演をあまり見なくなっていたので、それ以降のメンバーって全然記憶に無いんだよね。芝居の印象も薄い。

90は筧利夫&富田靖子&春田純一という三角関係が成り立つからこそいいんじゃないのか?
それもすごく引っ張り合うから、引き合った時の引力もすごくて、ってそこが見所だよね?
こうも小さくまとまってちゃ、悲恋も描けないっていうか。

小川くんは私の中ではねずみ止まりだしなあ。
北田くんも小物すぎて桂木は厳しいよ…。
飛龍伝は下手くそな女優を迎えるために(苦笑)、下手でも華がある女優さんがセンターをやればいいことになっているが、高野さんはそもそも華無いし。
だったら智恵ちゃんの方が良かったよ。あ、でもあっちはスターさんだもんなあ。余計無理か。
あれじゃあ全教徒40万ついちゃこないでしょう。東大トップ入学?無理無理。って思っちゃうよ。

2001は脚本そのものが微妙だしなあ…。
せめて岳男を出してくれば、ちゃんとした解散公演になっただろうに。
岳男は何やってんの?なんで出てこないの????

もし他の公演を見るのなら、武田さんと智恵ちゃんの蒲田だが、この週は物理的に無理なので、これで北区解散公演は見納めだなあ。
まあわたしの北区は前途のとおり、この人たちで事実上終わりみたいなもんだからいっか。

昔の北区の公演は、幕が開くまで誰が出るのか分からないことが常だった。
「とりあえず誰が出るか分からないから取っておくか」ってチケットを押さえて、運が良ければ好きな役者さんが出るっていうこともあった。
「★☆」は勝ち抜きを表していて、みんなで一つの役を必死に取り合うのが、昔の北区の売りでもあり、厳しいところだったのだ。

でもいつからか、そんなこともめっきり無くなってしまったのだろう。
それが結果的に役者を育てきれなかったという、今の北区の姿になっているのだと思う。
「つかこうへい」というネームバリューでお客さんが来るのを、さも自分が大物になったような気がしている役者が少なからずいるように思える。
それがどん欲に外の世界に仕事を求めていかない理由となり、役者としての幅をさらに小さくしているように感じてしまう。

誰を取っても「この役者さんいいな〜」と思った人がいない。
「なかなかいいなあ〜」って思ったソンハくんはさっさと辞めたし。
そんな劇団に見切りをつけて行ったんだと思うんだ、正直な話。

でも、つかさんの芝居は大好きだし、つかさんの言葉が一回身体を抜けた人でなければ、あのつか節は表現できないとも思う。
そういう人たちが後世にあの珠玉の戯曲たちを残していってくれて欲しいとももちろん思う。
だから毎年つかさんの命日あたりにOBによるつか芝居やってくれないかな。
神尾さんの伝兵衛+智則か友部くんの大山による熱海、智則&誰かのロマンス、きゃーーーーーーっ。みたい!みたいよ!!!!(結論はそこかよ?)

公演:★☆北区つかこうへい劇団解散公演「ALL THAT 飛龍伝 初級革命講座 飛龍伝‘80」
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:6月1日~6月4日
作:つかこうへい
出演:神尾佑・吉田智則・渋谷亜希
座席:3,500円(6/4昼最前センター、6/4夜2列右、6/5夜4列センター)
時間:2時間15分

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