2008年10月の記事一覧

とある町の曽根新聞屋に一人の女(永作博美)がやってくる。
彼女はここの主人の慎太郎(梶原善)の愛人だと名乗り、妻美十理(広岡由里子)や息子功一(近藤公園)、娘紗登子(前田亜季)らは彼女の言うことをあっさり信じる。
どうにか存在をなかったことにして自分たちの生活を始めるが、住み込みのえいみ(吉本菜穂子)が彼女をかくまうことになってしまう。

そんな感じのあらすじ。
全般にわたってコメディテイストで、おもしろおかしくこの家族が描かれており、飽きさせないのではあるのだが、いろんなことが理由としてこの家族を支配していて、それをこの家族が「うまくいかない理由」として使っているのが感情的に許せなくて途中からかなり客観的に見てしまっていた感じ。

吉本さんと広岡さんの二人のバトルとか、善ちゃんの悲しくもコメディな感じも、近藤くんもとってもよかったんだけどなあ。

公演:PARCOプロデュース「幸せ最高ありがとうマジで!」
場所:PARCO劇場
日程:10月21日~11月9日
作・演出:本谷有希子
出演:永作博美・近藤公園・前田亜季・吉本菜穂子・広岡由里子・梶原善
座席:F列左ブロック 7,000円
時間:2時間

とある精神科の一室。精神科の医者と多重人格者の「ユミ」と言う女。その女は自分のことを夕霧、六条と源氏物語の登場人物になぞらえ、彼女自身の話と源氏物語とが交錯していく。
1993年に実際に起こった「日野OL不倫放火殺人事件」と「源氏物語」をミックスさせた物語。

ここ数年の野田さんの作品は妙にリアルでずっしりとしていたが今回は特にリアルな感じがした。
ユミが不倫相手の妻に言われる「あなたなんて子宮から子供を掻き出すことしかできない女なのよ」とか言う台詞が強烈。
もともとロンドンではあそこの台詞はちゃんと英語だったらしいが、今回は全編が英語なのにあそこの台詞だけ日本語でストレートにこちらに伝わってくるので、ぞーーっとした。その後、ユミが自分の膣からナイフを入れて子宮から文字通り子供を掻き出すあたりはもう吐きそうなほど。
彼女が海で見つけた宝は死んでしまった自分の子供の魂だったのだろうか。それを求めて彼女はまた水に潜るのだろうか。

最高の身体能力と表現力を持った女優さんに野田さんは出会えたのだな、と思った。やっぱりすごかったキャサリン・ハンター。

落語のように扇子を道具に使ったり、能楽が効果的にBGMに使われていたりと、演出もステキでした。

公演:現代能楽集4「The Diver」
場所:シアタートラム
日程:9月26日~10月13日
作・演出:野田秀樹
出演:野田秀樹/キャサリン・ハンター/グレン・プリチャード/ハリー・ゴストロウ
座席:K列センターブロック6,500円
時間:1時間30分

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