1941年のベルリン。
プウル・ゲッペルズ大臣は映画関係者たちを呼んでホームパーティーを開く。
新しい映画を作ろうということが発表されるのだが…。
映画を作るという目的のもとに集まった関係者たちの、いろいろな思惑が透けて、人間模様が繰り広げられる。
風間さんの日和見さ、段田さんの仕事熱心さ、などなど見所はたくさん。
小林さん演じるフリッツがかなりいい。
白井さんは演出家としては私は苦手だが、役者としてはやっぱり好きだなあ。
ツァラ・レアンダーの「やっぱり執事はユダヤ人よね」の一言で、このパーティーの雰囲気は一転し、あの時代特有の陰鬱なものになっていってしまうのだが、この場面、見ている人は「いやーーーー言わないでーーーー」って思っただろうと思う。わたしもそんな一人。
あのマークを見てリアルさに胸を締め付けられそうだった。
東西統合直後のドイツに行った事があるが、あの、東側の独特な雰囲気がフリッツからかすかに感じられたのが、さすがというか。
ドイツ旅行をしようとするとき、収容所がどこの街にもあって、この問題はドイツ全土に深く根を下ろしていたということを実感する。
今回の作品で三谷さんは、そのことに関する思想を入れないように努めているように感じた。
公演:三谷幸喜感謝祭「国民の映画」
日程:2011年3月8日~4月3日(3月6・7日はプレビュー公演)
場所:PARCO劇場
作・演出:三谷幸喜
出演:小日向文世/段田安則/白井晃/石田ゆり子/シルビア・グラブ/新妻聖子/今井朋彦/小林隆/平岳大/吉田羊/小林勝也/風間杜夫
座席:J列右ブロック
時間:2時間くらい?