賛否両論あるみたいですが、わたしはこのお話が大好き。久々に泣きじゃくった。
最後のシーン、このシーンのためになら、前半のなんか陳腐な話も、まとまりのなさも全て許せるような気がした。
六角さんの青鬼がすごく良かった。やっぱりストーリーテラーはこうでなくちゃ。
鈴次郎と声をかぶせて話すところなんて涙なくしては見られない。
「何にもなくても夢を思うとこの辺が熱くなるんだよ」
夢を見ることができなかった鈴次郎が夢を見ることを儚に教えられ、そして夢見る。
手に入らないと分かっていてもついつい見てしまう夢。
「人の夢 はかなし~」と言う歌がこの台詞に被さって聞こえてきた。
「そして儚は水ではなく花になった」この言葉を言う六角さんが、んもう素敵。
儚は自分の死と引き替えに、鈴太郎と交わることを選ぶ。
鈴次郎を温めてあげたい、という気持ちが彼女を水ではなく花にするのだ。
そして一面の花吹雪。もうここだけで号泣である。
この話は青鬼の回想なんだけど、結局鈴次郎=青鬼だったわけよね。今考えると。
そうすると全部が繋がってきて、やっぱり横内さんってすごいってなるの。
この悲しい二人の結末を見て、「怪談にせ皿屋敷」を思い出した。
ああ、やっぱりエンディングが横内さんなんだなあ。
単純なお話なのである。話も読めちゃうし。でも横内さんの作り出す世界が好き。
舞台が始まるとき「あぁ、わたしは今日泣きに来たんだ」と思っていたら、その通りになった。
もう一回行けるものなら行きたいな。いけないけど。
大阪・愛知はまだチケット余ってます。是非足を運んでください。わたしにとっては今年一~二番を争う作品です。