2001年2月の記事一覧

今日は前から6番目くらいのセンターブロック。
やっぱりこの芝居は前で見た方が楽しいねぇ。
野田さんの一挙手一投足に目を奪われ、そして五感をフルに観客も使わせられる。

「生きることはそんなに大変じゃないよ」
「今わたしは本当に幸せです。だって生きてるから」
「神様がわたしに人間の神秘を教えてくれるためにもたらしてくれた奇跡」
これらの言葉がわたしの中に静かな波紋を投げかけた。
そして
「意味もなく膿もなく耳もなくまして母も無く泣けてくる 泣いた私につられて
 意味も泣く倦みも泣く耳も泣く母も泣く 無くなった私と無意味の為に
 何もかもが泣く 可も無く不可も無く(NODAMAP「2001人芝居」より引用)」
の一連の言葉が呪文のように耳に残る。

この素敵な言葉の数々がいつか自分の中にすっと落ちる、そんな時が来るんだろうか?
そんなことを考えた楽しい一人芝居だった。

客席にはネタにもなっている渡辺えり子さんがいらっしゃった。
自分のネタのところで笑っていたとか。。そんなふところの大きさが好き。

NODA MAP「2001人芝居」
作・演出:野田秀樹
場所:スパイラルホール
日程:2月3日〜2月28日
出演:野田秀樹
チケット:指定6,000円

役者陣は全員が熱演していたと思う。
筒井くんや永作さんもすごく良かった。
いろんな表情や表現っていうのがすごくできていて、いろんな感情が伝わってきた。
戯曲の中の「まゆみ」と現実の「まゆみ」の対比もうまくできていたと思う。

ただ、脚本そのものが弱い。
「名作を残したい」と狂言強盗まで仕立てて、作った話のはずが、全然名作とは思えない、っていうか心に残らない話っていうのが一番痛い。
なんか勿体な~い。

公演:KOKAMI@Network「恋愛戯曲」
作・演出:鴻上尚史
場所:紀伊國屋ホール
日程:1月30日〜2月25日
出演:筒井道隆・永作博美・大森博・高山広・旗島伸子
チケット:指定6,300円

さてそれでは総括行きましょうか。
はっきり言って、大した脚本じゃない。それに出演者も素人同然。
いらんシーン多すぎ。いらん人も多すぎ。照明、音響なめすぎ。関係者呼びすぎ。段取り悪すぎ。

ということで銀之丞さんまたは大森さんのファン以外だったら、楽しめなかったお芝居かもしれません。
まあ、脚本ができてきたのが1月末じゃあねえ。。しょうがないか。

っていうかさ、銀ちゃんが芝居をやるからには彼にそれなりの勉強をさせる、そんな芝居にしてほしいのだけどなあ。。。
あれじゃあさぁ。。以下自粛。主役におんぶにだっこって感じがしたよ。

まあ、田中恵里ちゃんに関しては毎日だんだんと良くなっている感じがしたし、大森さんも頑張ってくれていたからさ、この二人+銀ちゃんだけは及第点だが。。

さて銀ちゃんについては、初日のレポが全てを物語っていると思う。
それでもファンだから、ほんとに鳥肌が立つ表情や、涙を誘うシーンがあるから、楽しめたんだと思う。
でも話では泣けなかった。ごめん。

こんなに通って銀ちゃんにもうしばらく会えないのか、って思ったら、楽の最後のシーンで号泣。アホ丸出し。

公演:pain
作・演出:秦建日子
場所:SPACE107
日程:2月7日〜2月12日
出演:山崎銀之丞・大森ヒロシ・築山万有美・田中恵理・及川ゆうき・安藤彰則・山本修・小谷欣也・栄島智・せきよしあき・井上唯我・森裕征・早川りえ・武井睦
チケット:自由4,800円

実は今月一番期待していた公演。野田秀樹の一人芝居。

スクリーンをうまく使って、そこここにファンが楽しめる要素がふんだんに盛り込まれていて、モニター中毒についての語りもあり、前半のばらばらとしたそれぞれの要素が、最後には一つになる、という野田さんお得意の分野でした。楽しめた。
でももっと楽しめるようになると思う。
やりたい放題、野田秀樹の暴走を千秋楽にまた見てきます。

NODA MAP「2001人芝居」
作・演出:野田秀樹
場所:スパイラルホール
日程:2月3日〜2月28日
出演:野田秀樹
チケット:指定6,000円

南河内の公演ということでは初めての公演でした。

おもしろかった。笑わせてもらった。
そして風刺の部分(健康おたくとかいろいろね)も、本当に楽しめた。
でもなんだか難しかった。何が難しいのかもわからないけど、理解に苦しんだ。
何が結局言いたいのか、それが分からなかったからだろうな、きっと。

南河内万歳一座「錆びたナイフ」
作・演出:内藤裕敬
場所:シアターX
日程:2月9日〜2月11日
出演:河野洋一郎・鴨鈴女・松下安良・原謙二郎・荒谷清水・三浦隆志・高本章子・吉田淳・前田晃男・松苗伸彦・三浦由紀子・安宅慶太・林夏樹・重定礼子・坂本菜月・木村基秀・福重友・面高真琴・尾山恵美・中津美幸・藤原和実・皆川あゆみ・木村涼子・岡ひとみ・野引多絵子・内藤裕敬

いきなり何か変なコントが始まったとき、もうどうしようかと思った。ほんと。
わたしこれを何回も見るの??ってすごい不安が襲う。

簡単に言ってしまえば、脚本も、そして他の出演者(ちらしに写真が載っていない人)と銀ちゃん・大森さんとのレベルが違いすぎてすごく散漫な印象が残る。
キャスト減らしちゃえばいいのに。
ただ依子が撮った写真、というそのワンシーンのためだったら、シルエットでも何でもできる。
あの5人(弟子を入れてもいい)の芝居にしたら、もっとコンパクトになるんじゃないのかなあ???

銀ちゃんは頑張ってたし、かっこよかったし、大森さんも良かっただけに、何かもったいないよ。。

ただ苦言を呈するとするならば、銀ちゃんから芸術家としての「伝えたい」という欲望を感じられなかったな。
そして優しさと繊細さだけではなく、もっと「毒」とか「狂気」とか言ったものを表現してほしかった。
芸術家っていうのはある種、狂った人だからね。

公演:pain
作・演出:秦建日子
場所:SPACE107
日程:2月7日〜2月12日
出演:山崎銀之丞・大森ヒロシ・築山万有美・田中恵理・及川ゆうき・安藤彰則・山本修・小谷欣也・栄島智・せきよしあき・井上唯我・森裕征・早川りえ・武井睦
チケット:自由4,800円

カフカのその人生についてクローズアップした作品。キャストはどの人も芸達者。

だけど、なんか分かりやすくしようとすることが、却って作品を楽しめなくさせているような印象を受けた。
カフカなんだもん、わかりにくくていいじゃん。
カフカを演じる小須田さんはいいんだけど、これがカフカじゃ。。。って思ってしまった。
なんでああいう文章を書くのか、その裏付けに欠ける。
これは小須田さんが悪いんじゃなくて脚本によるものだとおもうけどね。
松永さんがすごく好み♪

オリガト・プラスティコ「カフカズディック」
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
場所:本多劇場
日程:1月26日〜2月4日
出演:小須田康人・山崎一・田山涼成・三上市朗・正名僕蔵・廣川三憲・内田春菊・松永玲子・小沢真珠・広岡由里子
チケット:指定4,500円

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