さて、どうにかチケットをゲットできたんで行ってきましたよ、円形劇場。受け取ったチケットはCブロック最前列。……。
宮崎あおいちゃん演じる漫画家とそのアシスタントそして編集者の三人が主人公。
主人公鮎川(宮崎あおい)は高校生漫画家として脚光を浴びるが、現在は思ったような作品が書けず、新連載の筆も進まない。「初の原稿料で買った自転車で走ると自転車の神様にアイデアをもらえる」と、主人公は盗んだ自転車で「漫画家になりたいけど才能が無い」アシスタント(吉本菜穂子)と共に環七を編集者(六角精児)の元から逃亡。
その間に彼女が妄想する一組のカップルや、二人が疲れて立ち寄ったファミレスでの店員さんたちや、編集者「あきる野」の妻や子供、などのストーリーが絡み合って芝居は進んで行く。
とまあそんな感じのあらすじ。以下ちょっとネタバレ含みます。
福本さんの脚本を初めて見るということもあってか、正直奇想天外すぎて…。こんな感じなのでしょうか?いつも。
役者のみなさんはあおいちゃんが一歩劣るところは確かにあるけど、三人ともたくさんの人間を演じ分けているから、今どこ(誰)をやっているのかとかはちゃんとついていけるんだけど、その展開されるストーリーがイマイチというか。
もっとそれぞれに印象的なシーンや台詞があるといいかなあ。でないと出した意味が感じられませんものね。
一番自分が良かったと思ったのは吉本さん演じる「あきる野太郎」が「夜」と「月」という言葉を教わって、「それはそのままでいい。ふさわしい名前だ」ってうっとりと空を見上げるシーン。あそこがじーんとしたなぁ。
あとはラストのちょっと前「漫画家になりたい山女魚ちゃんが漫画になりたかった私を書く」って辺りが印象に残りました。
やっぱり吉本さん良かったなあ。
演じた人全てがどこにでもいそうなリアルな感じ。吉本さんがというよりもそれぞれの主人公がそこにいた感じがする。
六角さんも良かったけど正直私には物足りなかった。
うわーん、どこかに本気モードの六角さんの芝居を実現してくれる人はいないものでしょうか?
この二人が余裕ありすぎてそれを目的に行ったわたしとしては見ていて物足りない感じ。
宮崎さんに舞台での芝居を言うのも、この二人に挟まれている芝居に一言言うのも可愛そうな感じはあるのだが、やっぱり少し綺麗すぎる感じ。
まあ「綺麗なあおいちゃん」を見に来たお客さんが多いんだろうからしょうがないかもしれないけど、リアルな感じが全くしてこなくて、生きていない感じが時々出てきちゃうのが難点でした。