2008年4月の記事一覧

原作はご存じのようにゴーリキーによるロシア文学。昔読んだことがあるような無いような。そんな程度の知識で見て参りました。

わたしのロシア文学への印象は「寒い、暗い、窮屈」という単純なものなのですが、今回はケラさんが演出ということでもうちょっと色鮮やかな感じになっていました。やっぱり好きだな、ケラ演出。
ロシア文学の特徴でもある閉塞感や寒さなどはそのままに、もうちょっと登場人物が「生きている」感じが出ていたように思えます。
役者さんはそれぞれいい感じで、荻野目慶子と若松武史さんの冷血コンビがこの話に活力を生み出していたような感じ。

楽しめた3時間20分でした。

公演:どん底
場所:Bunkamuraシアターコクーン
日程:4月6日〜4月27日
原作:マクシム・ゴーリキー
台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:段田安則・江口洋介・荻野目慶子・緒川たまき・大森博史・大鷹明良・マギー・皆川猿時・三上市朗・池谷のぶえ・松永玲子・黒田大輔・富川一人・あさひ7オユキ・大河内浩・犬山イヌコ・若松武史・山崎一
座席:S席XC列左ブロック 9,000円
時間:3時間10分(休憩15分)

時間が取れたので見てきました。もちろん神尾さん、横山さん目当てです。

伏線の張り方も甘いし、アクションやりたいんだか、ラクロスやりたいんだか分からないし、凜のキャラも書き込めてないし、誰の視点で見ればよいのやら、根本からなんだかよく分からない2時間でした。
凜ちゃんが五重塔を上がっていくところで、結構わくわくするんだけども、仲村トオルとの対決の先があれだしね。
あれなら、ラクロスで勝負とかにしてくれれば良かったような感じがするんだけど。なんか宗教映画かと思ったよ。

横さんと神尾さんも無駄遣いでしたね。あれじゃあよっぽどメイキングの方がアクション的には面白かったよ。
横さんの木刀をよける凜のシーン、あれ、スローじゃないほうがよっぽど迫力が感じられたのでは無いのでしょうか?

「考えるな、感じろ」ということらしいんですが、「こんな映画じゃ感じられません!!!
何をしたかったのかさっぱり分からない映画じゃねえ…。
本広さん、もうちょっと考え直してくれないかなあ。この調子で「SP」の映画化なんて見たくないんですけど。

タイトル:少林少女[オフィシャルサイト]
監督:本広克行
出演:柴咲コウ/仲村トオル/江口洋介/岡村隆史/キティ・チャン/ティン・カイマン/ラム・チーション
企画:フジテレビ・GAGA・SDP・ロボット・クロックワークス
時間:約2時間

自殺した老婆の家を片付ける残置物処理業者の4人とその依頼者の葬儀屋のお話。(えーーー!)

まずは丁々発止の四人の掛け合いが見ていて楽しい。やっぱり成志と古田の組み合わせは絶品だ。隙間を埋める二人の芝居を堪能したわ。松重さんもなかなかいいキャラで。八嶋はまあいつも通り?うざくてちょっとわずらわしいキャラでした。
小田茜は少々やり過ぎ感を感じるものの、こういうキャラ設定だししょうがないか、という感じ。
かなり冒頭の方にネタは分かってしまっていたので特に「えーーーっ?!」という感じはなかったけど、最後の方で小田茜がうわーーって泣き出すところは、一緒に気持ちがぐわーってなった。

この5人が動くことで、ここにいない老婆とその息子のキャラがくっきりと浮かび上がっていく、という手法は面白かったです。

関係ないけど、うち、冷凍庫にしばらく機械で切断してしまった母親の親指が入ってましたよ。(苦笑)

公演:PARCOプロデュース「49日後…」
場所:パルコ劇場
日程:4月12日〜5月6日
作:竹内 佑
演出:池田成志
出演:古田新太・八嶋智人・池田成志・松重豊・小田茜
座席:Y列センターブロック 7,500円
時間:2時間10分くらいだっけ?

大河ドラマの舞台化。
晴信…市川亀治郎、馬場…高橋和也、信繁…嘉島典俊、板垣…JJサニー千葉は大河そのまんまのキャスティング。
今回の舞台は、晴信と板垣の話に絞って上演されていました。

話の方はおいておいて「見せ方知ってるな」という演出。
三条(尾上紫)と由布姫(守田菜生)と晴信、信繁という四人で途中舞うシーンがあるんですが、ほんっとにきれいで。うっとり。やっぱりほんまもんにはかないませんな。
あとは盆をうまく使ってたり、見ていてとっても楽しめました。

じゅんの使い方もよく分かっていらっしゃる。お笑いはじゅんに持ってきて、ドラマとはだいぶ違った駒井だったけど、まあこれはこれで楽しいからいっか、という感じ。
千葉ちゃんは生で見ても素敵です。時々じゅんに笑わせられて素がでちゃうところもお茶目で素敵。

公演:風林火山 晴信燃ゆ
場所:日生劇場
日程:4月5日〜4月27日
脚本:石川耕士
出演:市川亀治郎・橋本じゅん・高橋和也・嘉島典俊・尾上紫・守田奈央・大和田美帆・笠原章・仁科亜希子・JJサニー千葉 他
座席:S席A列真ん中あたり11,000円
時間:3時間50分(途中20分休憩)

某所よりチケットが手に入ったので見に行ってきました。
モー娘。のファンでも無いし、藤本美貴の良さも全く分からないし、大口さんに至っては「誰それ?」状態でしたので、定価は出すつもりは全く無かったです。

ストーリーについては、すでに何度も見ていてそのたびにいろいろ書いているので今回は割愛。変更部分とか新キャストについてとか、その辺りを中心に適当に書いてみたいと思います。

この作品に関しての思い入れはおそらくかなりある方なので、最初からちょっと引いたところから見ていました。
主役二人が頑張っているのは分かるんですが、その「懸命さ」は私にはちょっと足りなくて、というか、この話にはちょっと足りなくて、絵空事を書かれた感じというか、上っ面をなでただけと申しますか、そんな印象を受けました。
この値段取るんだったらもうちょっと真剣に稽古させろよっていうか、急遽決まった話だったんなら他の演目にしろよっていうか。
衣装も舞台もパルコ版の使い回しだし、今回良かったと思えたのは、浄瑠璃、ホリさんの人形、照明くらいだったな。亨さんの青鬼は素敵だったけど言ってみれば「当然」だしね(苦笑)。
今回追加になってたゾロ政の「もうすぐ死んじゃう設定」って必要だったの?全然回収されていないから意味を感じられず。村杉くんは役者としてはとても好きなんだけど使い切れてないよな。
あと気になったのは、青鬼台詞を被せる浄瑠璃。たぶん分かりやすくするために重要な台詞を二回繰り返しているんだろうけど、このお陰で青鬼の台詞の余韻がことごとく消されてしまった。

続き以下は壮大なネタバレの予定。

参考までに他のこの作品へのリンク。
扉座「いとしの儚〜100 Days Love〜」
 2000年6月@紀伊國屋ホール
 演出:横内謙介・儚→三木さつき・鈴次郎→山中たかシ・青鬼→六角精児 4000円
PARCO版「HAKANA〜いとしの儚より〜」
 2002年7月@パルコ劇場
 演出:杉田成道・儚→井川遥・鈴次郎→山崎銀之丞・青鬼→六角精児 7800円
遊座「いとしの儚〜100 Days Love〜」
 2007年3月@新国立劇場
 演出:茅野イサム・儚→横山智佐・鈴次郎→山中たかシ・青鬼→山口勝平 6500円

公演:明治座NEO時代劇「HAKANA~いとしの儚より~」
場所:明治座
日程:4月18日〜4月27日
作:横内謙介
演出:杉田成道
出演:藤本美貴/大口兼悟/山本亨/住谷正樹(レイザーラモン)/出淵誠(レイザーラモン)/村杉蝉之介/渚あき/吉本菜穂子/工藤潤矢/高木トモユキ/相沢祥吾/松井明/多田直人/新原武/仲村惺吾/南翔太/菊地豪/森川芳衣/中村ひとみ/布川美生/番場祐海/川西佑佳/山下幸乃/森永あいり/松澤一之/片岡サチ/ホリ・ヒロシ
座席:1階9列花外 S席9,000円(定価)
時間:3時間20分(途中30分休憩)

Monthly List

Tag Clouds