初演は見た事がないので、これが初めての「母を逃がす」。昔TV放送したものも持ってはいるが見ていないので、まっさらの状態で観劇。
場所は東北のとある農場。そこに独立国家よろしく独自の集落を作って暮らしている「クマギリ第三農楽天」。
いわくつきの者たちが暮らすその集落で、ある日、物が盗まれたり、豚が殺されたり、という事件が起こる。
ライバルである「シカノバル」に襲撃されてると言う頭目代行の裕介。裕介はこの集落をもっとよくしようと、処刑台を作ったりいろいろするのだが、そこに流れ者がやってきたり、刑務所に入っていた兄が釈放されたりで混乱に向かっていく。
あらすじはそういう感じか?
すごい閉塞感の中の話なんだけど、なんだかみんなひょうひょうとしていて、「こんなんじゃ希望なんて何もない」と思いながら、それでもなんとなく生きている姿が不思議にかわいく見える。
人間ってこういう風に迎合して生きていけるんだなあ、というか。
一番悩んでいたのはたぶん裕介で、母親をなんとか救いたいと思っていたわけだよね。きっと。
でも、母親はそんな憐れには思って欲しくないというか、その中でも幸せはあったんだよね。
そういう気持ちを全然分かっていない裕介。
優しい母親思いの息子なんだけど、なんかずれてるんだよね。人とちゃんとコミュニケーションが取れない。
だから処刑台とか作っちゃうし、クーデターとか起こされちゃって、結局自分の意図とは真逆の方向に話が展開していく。
でもまあ最後一応ハッピーエンドみたいだからいいか。
それから宮藤さんがかっこいい!んもう素敵すぎる。
良々とのコンビも最高!
それにしても松尾さんに何があった?
あの紅白風な茶番カーテンコール。笑ったけど、ちょっと心配になっちゃったよ。
公演:大人計画「母を逃がす」
場所:本多劇場
日程:11月15日~12月19日
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ・宮藤官九郎・池津祥子・顔田顔彦・宍戸美和公・宮崎吐夢・猫背椿・皆川猿時・村杉蝉之介・田村たがめ・荒川良々・近藤公園・平岩紙・少路勇介・松尾スズキ
座席:B列センターブロック 6,200円
時間:2時間30分