2000年10月の記事一覧

三谷さんのいいところが非常に出ているお芝居だった。
閉鎖された空間での閉鎖された人間関係のお芝居。
何と言ってもこの芝居は平田さんの情けない夫役と、佐藤さんのなんかそういう情けない人を放っておけない男。この二人につきる。
もう笑いのツボというツボをつきまくって、ほとんど二人で2時間を乗り切ったと言っても過言ではない。
もう、ここまで来るとあっぱれ。

あめくさん演じる「竜馬の妻」というのもなかなか悲しい女だ。愛されすぎてもう他に愛することができない。
そしてそんな「おりょう」に惚れて身を崩していく男達。
本来ならこの「おりょう」こそこのお話の主人公だが、これを佐藤さんを主役にするところが三谷幸喜らしいなあ。。。上質のコメディに仕上がっていた。
見に行ってよかった。あったかい気持ちになれた。

公演:東京ヴォードヴィルショー「竜馬の妻とその夫と愛人」
場所:本多劇場
日程:10月26日〜11月3日
作:三谷幸喜
演出:山田和也
出演:佐藤B作・平田満・あめくみちこ・佐渡稔

松たかこコンサートなのか?と思う芝居。
作品がつぎはぎで作られた、というだけあって、ばらばら。
時々のめり込める話もあるが、なんかね~、眠いんだよね~。
スタンディングオベーションしている人がいるのが信じられない。
ま、串田さんが松たかこに心酔してるってことだけは分かった。
勝村くんが非常にやりにくくやっているのが印象。

ツボは「さすが高麗屋」(^^)。

公演:VOYAGE〜船上の謝肉祭〜
場所:Bunkamuraシアターコクーン
日程:10月2日〜10月22日
作:岩松了・生田萬
演出:串田和美
出演:松たか子・勝村政信・笹野高史・大森博・小日向文世・中村勘太郎・篠崎はるく・田中哲司・中谷さとみ・稲葉良子・串田和美
チケット:S席8,000円

野田さんの若い頃の作品。難しいと思って予習をしていったら結構普通に受け入れられた。
おもしろかったし、言うことが分からなくもなく、戯曲的には楽しめた。
ただ、語り部としての野田秀樹がいないってことは、野田作品には切実な問題だと思った。
それからあのチープな演出はどうにかならないものなのかなあ。。。
目を閉じてみると何気に野田ワールドが広がるのかもしれない。

若い二人は確かに頑張っている。が野田の作品にするべきではなかった、と本当に思う。
荷が重すぎたのではないかと。
ただ、さやかちゃんは台詞を理解しているのか、時々ふっと野田ワールドが聞こえてくる。
もっと稽古を積めばもっといいものになったのかもしれない。

脇を固める人たちもさ、もうちょっと今までに何かしようがあったんじゃないかと思うんだよね。
余裕が出て来ちゃっていろんなアドリブ入れてるけど、主役の二人はそんな余裕ないんだもの。
結局ベテランが浮いちゃったりして。。。
個人的にはまちゃのトランスを引きずった演技が気になったけど、まあ、彼は商業的にはこれでいいと思っているみたいなので
いいんじゃないの?本業は別だし。
あと村木くんが傑作。そして何で何度も目が合うの?最後にはカーテンコールでもろ私たちに向かって微笑んでるし。(^^;;;
ジャニファンだらけで寂しかったのか?(爆)

公演:RUPプロデュース「二万七千光年の旅」
場所:PARCO劇場
日程:10月11日〜10月28日
作:野田秀樹
演出:岡村俊一
出演:三宅健・山口紗弥加・加納幸和・松沢一之・平栗あつみ・河原雅彦・村木仁・中本奈奈・田村たがめ ほか
座席:X列センターブロック8,400円

こちらも三公演、まとめて書かせて下さい。
まず全般の話。
霧島部長刑事が和歌山国体で行方不明になった選手を捜しに来たところは雨に煙る蝋人形館。
そしてそこには国体で行方不明になった選手達にそっくりの蝋人形とそして悲しい二人の人形。
その人形のお話が幻となって霧島の目に浮かぶ。
とまあこんなストーリー。

公演:北区つかこうへい劇団「ロマンス2」
場所:三鷹市芸術文化センター 星のホール
日程:10月7日〜10月9日
作・演出:つかこうへい

何度見てもいいものはいいって。
野田さんの悲痛さが余計に表現されていたように思う。
いつもよりちょっと後ろ側からの観劇は松尾スズキを正面に見据えて、絶好の座席であった。
舞台全体を見下ろしていると、自分がほんとに大衆になったかのような錯覚を覚える。。

大衆、そして気分、風潮。
わたしたちはいくつものものを洗脳されて、そして流されてきたのだろう。それはそれでいいのだ。
でも時には「それでも作る!」と自分が一度背を向けた農業というものに立ち向かった、百子のように自分の嫌いなものでも、時には無意味だと分かっていても、でも刃向かう、そんな勇気を持ちたいと思う。
そしてそんなとき、山本さんのように遠くから見守っている人がいることを祈りながら…。

公演:NODA MAP番外公演「農業少女」
場所:シアタートラム
日程:9月8日〜10月9日
作・演出:野田秀樹
出演:深津絵里・松尾スズキ・明星真由美・野田秀樹
チケット:7,000円

ウーマンリブにはやっぱりTOPSクラスの劇場があってるんじゃないかなあ。
今思えばサザンシアターは大きすぎ。

その小さなスペースでみんなが楽しくやっていて、見ていてもなんかすごく楽しめた。
アルコール依存症の各メンバーが半年まっての「半年ビール」を夢見て、監禁施設で禁酒をしているのだが、そこに岩松さんという70時間連続飲酒をした女の人がやってきて…。というストーリー。

何と言っても岩松さん。その女性という設定、それでも女性に見えちゃうところが恐いよ。ほんと。
他の人も超楽しそうで、それに全然無理がない。
話もちゃんとあって、たのし~。ぐいぐいと引き込まれていった。
ちょっぴりと切ないお話。サダヲ満喫の夜でした。

公演:ウーマンリブ「グレープフルーツちょうだい」
場所:THEATER/TOPS
日程:9月23日〜10月13日
作・演出:宮藤官九郎
出演:皆川猿時、ユセフ・ロットフィ、平岩紙、阿部サダヲ、猫背椿、荒川良々、宮藤官九郎、岩松了
チケット:3,800円

なんか牛松なんだよなあ、やっぱり智則くんのが。
申し訳ないけどさ、なんかこれを出されちゃ今までのは前説?とさえ思ってしまう。
一年振りに見る牛松はほんとに牛松でした。
自分の中にこんなにも智則くんの牛松が根強く残っているのか…と感心してしまうほど。

そして今日は「もうおまえを愛することにおそれなくていいんだね」という例の台詞。
智則くんの牛松でしか泣けないことを発見した。それほどまでに胸に響く。
他の牛松と一番違うのがゲイバーのママになってから。ほんとに「板について」る。
これが経験が産んだ自信かぁ。。。と思った。

対する黒川くんのシゲル。
なんか猛烈に安村くんを思い出す。っていうかだぶる。
でも黒川くんの「重箱の隅にも愛情を」的な表情のこと細やかさにかけては、他の追従を許さないのかも。
あの「井の頭の踏切が…」のシーンって今年初めて思ったけど、あんなに泣けるシーンだったのね。
なんかシゲルが切なくて…。
あれがあるから「いきたかった、いきたかった」が余計に切なく響いてきてまた泣いた。

ほんとにロマンスを見てよかったと思う。毎年何度でも見たい演目だ。
まだ見てない人がいたとしたら、絶対に観た方がいい。
つか事務所さま、毎年恒例にして是非この戯曲をもっともっとみんなに見てもらって下さい。

公演:北区つかこうへい劇団「ロマンス」
場所:三鷹市芸術文化センター
日程:9月30日〜10月4日
作:つかこうへい
出演:シゲル・牛松は日替り、中村真知子、嶋祐一郎ほか
シゲル:黒川恭佑 牛松:吉田智則

すんません。三公演まとめて書かせて下さい。

公演:北区つかこうへい劇団「ロマンス」
場所:三鷹市芸術文化センター
日程:9月30日〜10月4日
作:つかこうへい
出演:シゲル・牛松は日替り、中村真知子、嶋祐一郎ほか
30日昼 シゲル:赤塚篤紀 牛松:黒川恭佑
30日夜 シゲル:山本哲也 牛松:川畑博稔
1日夜 シゲル:吉浦陽二 牛松:山本哲也

あまりの酷評のため見に行くことすらためらわれたオーファンズだが、行って良かったと思う。
思っていたよりまとまっていたし、好演していたように見える。
わたしは椎名ファンではなく伊藤くんを見に行ったので(ああいう子犬系好きなのよ~)、フィリップの閉ざされた世界の扉が一つ一つ開いて行くたびに、嬉しくなったし、あの素直さに憧れも持った。
ただ、なんか話が中途半端って感じは残ったなあ。5時間くらいある話の間の2時間くらいを見せられたような感じ。
それから無駄な長い暗転と休憩はどうにかしてもらいたいと思った。
2時間の芝居で休憩ってほとんど初めてなので、すごくぶちきられたような気がした。

それから子連れで来ていたお母さんがいた。当日券らしいが、子供をだっこしたまま観劇。
どうかと思うよ。ほんとに。待てるわけないじゃん。1さいくらいの子供がさ。
結局後ろの方に休憩後移動していったが、その辺どう考えているんだろう?
人間が分からなくなった一こまだった。

公演:オーファンズ
場所:池袋サンシャイン劇場
日程:9月9日〜10月1日
作:ライル・ケスラー
演出:栗田芳宏
出演:根津甚八・椎名桔平・伊藤高史

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