1999年10月の記事一覧

いやあ…なんていっていいのか…。くどかんワールドに笑わせてもらいました。
力の抜けた舞台でした。個人的には阿部さんの演技好きです。結構あっという間の2時間でした。

でも今一歩こう…充実感っていうか足りないんだよねえ。
確かにくどかんはいい味だしているし、それぞれの役者さんもかなりいいんだけど、
なんかすごく断片的っていうかつながりがないって感じがして…。
今度は松尾スズキの時に行ってみたいな。

公演:ウーマンリブ「ウーマンリブ発射!」
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:10月7日〜10月30日
作・演出:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ・伊勢志摩・猫背椿・皆川猿時・荒川良々・宮藤官九郎・大堀こういち・河原雅彦

舞台は周りを水で囲まれていてその周りに観客というもので、最前列だったのでなんだか俳優さん達に見つめられるような感じで緊張した。

テクラとその夫アドルフ、そしてテクラの前夫であるグスタフの三角関係の話なのであるが、グスタフがまずはアドルフをそしてテクラを「壊して」いく。債権屋なのである。

いやあ佐々木蔵之助恐るべし。すごいよ。壊れ方が半端じゃない。いいもの見させていただきました。
テクラ役の中嶋朋子さん、色っぽい。
最初は超悪女に見えていたのに、最後の方では操り人形に思えもらい泣きしてしまった。
そしてこの人が目的で見に行った伊原剛志さん、表情が怖い、怖すぎるのである。圧倒されっぱなし…。

グスタフの「人間にとって自尊心というのは何より大切なことなんだ!!」という台詞が胸に響いた。自尊心が無くなったらただの人形だ。

t.p.tは初めてだったのでどうなることかと思っていたけど、役者三人の戦い、という感じでした。みんなうまいよな、ほんとに。
でも彼らの演技を見ていて「命を削る」という気がした。そして伝えていくのが彼らの使命なのだと…

公演:t.p.t.「債鬼」
場所:ベニサン・ピット
日程:9月6日〜10月17日
作:アウグスト・ストリンドベリ
演出:ジョナサン・バトレル
出演:佐々木蔵之介・伊原剛志・中嶋朋子
チケット:7,000円

男性が男性を好きになるっていうのはどういうことなんだろう?
自分の中の男性性を捨てて女性の部分が彼を好きになるんだろうか?
私の知っているゲイ(レズ、ホモ)の人は自分の性を捨てていない。
女の人は女のまま、男の人は男のまま、同じ性の人を好きになっている。
それも決まって決意が固く、それでいて日常一緒にいるとそんなことは思い出すこともないくらい、男らしく女らしい。
シゲルはこのタイプ。その上彼は冷酷だ。
典型的自分勝手タイプ。たぶん人から猛烈に愛されたことしかないのだろう。
本当に幸せな男だ。そしてそんな彼に惹かれていく。

それと対照的に牛松は女々しい。それも強烈に。オカマという分類である。
”オカマ”っていうのは自分の中の男性性を否定しているように見える。
でももちろん捨てきれず女々しい感じがする。
男性性と女性性が立ち替わり入れ替わり現れて、妙に人間っぽい。そして惹かれてしまう。

…とまあ、冷静に同性愛について考えちゃったわけだけど、二回目っていうのは物語を自分の中でかみ砕くいい機会を与えてくれる。

今日は何と言っても古賀さん・酒井さんが良かった。この二人すごいよ、やっぱり。
三度目のカーテンコールのダンス、素敵でした。やっぱりダンスが危険な(?)吉田君は途中で振りを忘れちゃっていた。最後なんだから決めて欲しかったというのは私だけだろうか?(まああれもあれでらしいんだけどねえ)
五度目の観客総立ちのカーテンコールで安村君の声が聴けた。
「本当ならここで何かあるんでしょうけど…なにもありません。お気をつけてお帰り下さい」
この言葉で彼が舞台の上で完全燃焼したんだな、とやっと席を立つことができた。彼のこれからに期待したい。
捨てられてもまだ彼のことを思って生きてしまう、そんな牛松の姿と私たちファンがだぶって見えた一夜のできごとでした。

公演:北区つかこうへい劇団「ロマンス」
場所:三鷹市芸術文化センター 星のホール
日程:9月23日〜10月3日
作・演出:つかこうへい
出演:吉田智則・安村和之・古賀豊・酒井晴江・朝部淳次・山本哲也・黒川恭佑・友部康志・嶋祐一郎・藤村泰弘 ほか

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