2001年8月の記事一覧

東京初日、ただしスケジュールの都合により一幕のみの観劇。
名古屋と特に変わっているところはない。
ただマイクがついていることと、花道がないので、舞台袖の小さな疑似花道みたいなのを使っていた。
こりゃS席で見ないと駄目かも。。
A席だともうすでに遠い。
全然芝居の世界に入れないで終わってしまったよ。。とほほ。

公演:鶴屋南北「悪の華〜灼熱の恋に身を焦がした女たち〜」
場所:帝国劇場
日程:8月31日〜9月25日
作:鶴屋南北
出演:浅丘ルリ子・藤間紫・永島敏行・多岐川裕美・長門裕之・大門伍朗・新橋耐子 ほか
A席7,500円

福島さんお得意のハートフルコメディー。

今回の主人公は間抜けな泥棒とお人好しの噺家。二人ともね、すご~くいい人なの。
それでもなかなかうまくいかなくて、「何のために生きているんだろう」って思っちゃう。
でもそれでも一生懸命前に進もうとしているんだよね。
すご~く面白い中にも、このテーマが浮かんできて、暖かくなった。

中井さん、お芝居で見るのは初めてなんだけど、すごく良かった。
コミカルで、すごく暖かい。なんかね~。すき。こういう芝居。段田さんもすごく良かった。
二人の仲の良さを見せつけられたような、そんなお芝居。
こういうのを「息が合う」って言うんだよね。

公演:PARCOプロデュース「二人の噺」
作・演出:福島三郎
場所:パルコ劇場
日程:8月16日〜8月29日
出演:中井貴一・段田安則
チケット:7,000円

先週よりは、話としてのまとまりが出てきたような気がする。
主役の二人の感情が表に出てくるようになった。
前回は噛み噛みだった春田さんもすごみが増し、
「パレスチナの風から赤い六月へ」
の帰ってきたシーンは迫力が増していた。

そして全体として思ったのは「桂木−泊」の物語がより強調された、ということ。
三人の愛憎はやっぱり感じられなかった。
内田有紀演じる神林美智子はテツのことは愛しているように見えるが、他の二人は愛しているようには見えない。
桂木と恋に落ちるところの台詞がないからなのか?
泊が自分の思いを美智子人告げるところも第一機動隊から守るシーンが無ければ、唐突すぎて何が何やらさっぱりだ。

お陰で蒲田の「愛情ライト版」になってしまった。
泊と美智子二人のシーンは場違いとも思える程の「方向の違った泊の思い」に
正直気分が悪くなりそうだった。
泊は美智子のことを愛しているのではなく、その向こうに見える桂木への思いをただ美智子にぶつけている、そんな感じ。
だからこそ、蒲田を彷彿とさせてしまうし、だからこそ自分が最愛の人を殺してしまった後悔に押しつぶされてボケてしまうのに繋がらない。

昔の名作と言われた作品の再演はたしかに大変だし、思い入れもそれぞれにあって
普通よりも評価は厳しいと思う。
だけど「新」として山崎ではなく泊を出してきた以上、もっと新しいキャラとして確立した方が
良かったのではないか?小川くんが可哀想だ。
公演期間約10日でこれほど変わるのであれば、もっと稽古をした方がよかったんじゃないかな?
前半だけしか見ていないお客さんははずれくじ引かされたみたいだよ。。。

公演:北区つかこうへい劇団「新・飛龍伝〜私のザンパノ」
作・演出:つかこうへい
場所:北とぴあ
日程:8月17日〜8月25日
出演:内田有紀・小川岳男・春田純一・武田義晴・赤塚篤紀・石垣広文・古賀豊・川畑博稔・吉田学・とめ貴志・酒井隆之・黒川恭佑・友部康志・嶋祐一郎 ほか
チケット:S席6,000円

当然ながらわたしは戦争リアルタイム世代ではない。
自分の両親は戦争の頃に生まれてきたので、戦争体験をリアルに聞いたことはない。
とはいえ、叔父が戦死して、靖国に奉られていたり、その叔父が長男だったんで、父の実家は大変だったとか、そういう話は聞いていた。

このお話は、息子が戦死したと知らされ、その日一日を生きるので精一杯な神主の元に、息子の親友が帰ってきたばかりか、息子も帰ってきた。
その息子にC級戦犯という汚名がきせられて。。といったようなお話。

戦後の日本の、食べる物にも困る、そんな時代を一生懸命生きようとしている神主や、その周りにいる戦争未亡人達や、息子の親友、近所の巡査、そして息子のその生き様に本当に胸が熱くなった。
わたしはこんなに一生懸命行きようとしているか?
そんなことを痛切に感じてしまった。

「神社は花だ」から始まる一連の台詞は、本当に素敵だった。
神社が、人に温かさをくれるように、このお芝居はわたしに何かの暖かさをくれたように思う。
「忘れちゃだめだ。忘れたふりは尚いけない」
なんか、すごく心に残った。
歴史を伝えていこうという井上さんのその気持ちに、応えたい、そう思った。

公演:こまつ座「闇に咲く花」
作:井上ひさし
演出:栗山民也
場所:紀伊國屋ホール
日程:8月14日〜8月26日
出演:名古屋章・島田桃子・千葉哲也・四本あや・茅野イサム・小市慢太郎・増子倭文江・木下政治・梅沢昌代・たかお鷹・日下由美・水村直也・那須佐代子

歌舞伎座初観劇ってことで、ちょっとだけ緊張。それも席は9列目。うふふふ。かなり奮発。
野田歌舞伎の前の「勢獅子」で、いろんな歌舞伎役者さんのいろんな表現方法に、ただただ感心していた。
これが日本の伝統芸能っていうものを、生まれたときから背負わされた人たちの「芸」なんだな~って。

さて、30分の休憩で、やっぱり、小倉最中を食べて、いよいよ野田歌舞伎。
いやぁ、歌舞伎ってことで、どんな風になるのか、すごく興味があった。野田さんのあの言葉の世界とか、舞台装置の世界とか。
幕が開いて、そこにスクリーンが見えた瞬間、「やられた」と思った。
そのとき会場から「うぉ~」という驚嘆の声が、あちらこちらから聞こえてきて、
「野田さんは歌舞伎の世界でもやってくれた。。」
と、何だか鳥肌が立った。

歌舞伎といえども、現代的な言葉の使い方や、分かりやすいストーリー展開。
うまく世渡りをしたい、と思っている辰次が、ふとしたことから、ご老公を殺してしまい、
その敵討ちのための息子に追いかけられる、という簡単なストーリーであるが、そこは歌舞伎らしく、道中いろんなことがあるのよね。
そして、やっぱり、なんかいろんな心情描写が野田さんらしいなあって。
美しい言葉なんかもほんとにうまく活かされていた。

結局辰次は殺されちゃうわけなんだけどさ、死んだ辰次も、殺した息子も、誰一人としてすがすがしくなくて、そこに紅葉の葉が落ちてきた時には、何か悲しくて切なくて、それでいてどこかほっとしたりもして、秋の空にみんなの思いが昇華していったような、してないような、そんないろんな思いが交錯して、胸がいっぱいになった。

歌舞伎の役者さんはほんとに芸達者だ。
勘九郎は、野田さんの生き写しじゃないかっていうくらいだったし、染五郎も、そして福助さんがすごく良かった。
これからも機会があれば足を運びたいと思わせてくれた、野田さんと、役者さんたちに感謝。

公演:八月納涼歌舞伎第三部「研辰の討たれ」
作:木村綿花
脚色・演出:野田秀樹
場所:歌舞伎座
日程:8月12日〜8月29日
出演::中村勘九郎・坂東三津五郎・市川染五郎・中村勘太郎 他
チケット:一等席11,550円

飛龍伝は生で見たことはない。ビデオではいくつか拝見したことはあるが。。
あっ、生で見たっていうと、新幕末の楽のおまけ予告か。。

一番心配していた内田有紀は、作品故か、そんなに気にならなくはなっている。
でも、そのおかげで、この物語の主人公が、神林美智子という印象すらなくなってしまった。

わたしがビデオなどで見た飛龍伝の印象は
「命をかけた機動隊と学生との戦い、そしてその合間に揺れる三人の熱情」
というものだったのだが、今回見て、全然そんなのは伝わってこなかった。

山崎一平を出さない代わりに新しくつかさんが生んだ「泊平助」というキャラ。
それに合わせて新しい飛龍を産み出すと豪語していたわりに、結局できあがったのは、
今までの飛龍での山崎一平の名前を変えただけの存在だった。

今回、学生達を演じた、その誰もから、命をかけた感じは伝わってこなかった。
ただ、お遊びで闘争というものに参加している、そんな感じだけだった。
それなのに、また二十年たって、国会前に集合しようとするのだろうか?
全体的にチープな印象で、何も伝わってこない。
新幕末のカーテンコールで一瞬演じられた「飛龍伝2000」の宣伝の方が、必死さや憤りといった、その時代に渦巻いたものが伝わってきた気がする。

小川くんの熱演も、台詞をただ言っているだけでは、この大きなホールでは何も伝わってこないよね。。
個人的には久々につか芝居にたつ吉田学くんと、とめさんの渋いナレーションには惹かれたが、所詮使い方が使い方なので…(以下自粛)。
ただただ、居心地の悪さだけが残った、何とも後味の悪いお芝居だった。
最後の「パラダイス」はもうちょっとテンポを落とすとかできなかったんだろうか。
主役二人のダンスがあれでは、見ていて切ない。

公演:北区つかこうへい劇団「新・飛龍伝〜私のザンパノ」
作・演出:つかこうへい
場所:北とぴあ
日程:8月17日〜8月25日
出演:内田有紀・小川岳男・春田純一・武田義晴・赤塚篤紀・石垣広文・古賀豊・川畑博稔・吉田学・とめ貴志・酒井隆之・黒川恭佑・友部康志・嶋祐一郎 ほか
チケット:S席6,000円

初めてのジョビジョバでした。
コントライブそのものも、あんまし行かないので、どんなものやら勝手が掴めずに、高所恐怖症の友人と一緒にZepp東京へ。
座席は5列目で、舞台は比較的よく見えました。
でも二時間パイプ椅子、それに広い会場に段差なしは厳しかった。

「Heavy Smoke Monkeys」ということで、禁煙の話だと思っていたんだけど、結局居場所を無くした人たちが旅に出る、という感じで話が終結して行きました。
ま、コントライブだから、話の筋が無くても良いんだけどなあ、なんて思ったりして。。

劇中のコントも、ピスあり、大人計画ありで、「使い古された」感じがしました。
表現の仕方でおもしろいところはたくさんあれど、あの脚本がすばらしいとは私には言えず、
脚本家としてのマギーに限界を感じてしまった。。
そして笑うツボが微妙にずれている二人。
大受けしたのは、マギー扮する武田鉄矢でした。(モードが飛んでしまったよ。。)

Heavy Smoke Monkeys
場所:青海 Zepp Tokyo
日程:8月3日〜8月12日

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