飛龍伝は生で見たことはない。ビデオではいくつか拝見したことはあるが。。
あっ、生で見たっていうと、新幕末の楽のおまけ予告か。。
一番心配していた内田有紀は、作品故か、そんなに気にならなくはなっている。
でも、そのおかげで、この物語の主人公が、神林美智子という印象すらなくなってしまった。
わたしがビデオなどで見た飛龍伝の印象は
「命をかけた機動隊と学生との戦い、そしてその合間に揺れる三人の熱情」
というものだったのだが、今回見て、全然そんなのは伝わってこなかった。
山崎一平を出さない代わりに新しくつかさんが生んだ「泊平助」というキャラ。
それに合わせて新しい飛龍を産み出すと豪語していたわりに、結局できあがったのは、
今までの飛龍での山崎一平の名前を変えただけの存在だった。
今回、学生達を演じた、その誰もから、命をかけた感じは伝わってこなかった。
ただ、お遊びで闘争というものに参加している、そんな感じだけだった。
それなのに、また二十年たって、国会前に集合しようとするのだろうか?
全体的にチープな印象で、何も伝わってこない。
新幕末のカーテンコールで一瞬演じられた「飛龍伝2000」の宣伝の方が、必死さや憤りといった、その時代に渦巻いたものが伝わってきた気がする。
小川くんの熱演も、台詞をただ言っているだけでは、この大きなホールでは何も伝わってこないよね。。
個人的には久々につか芝居にたつ吉田学くんと、とめさんの渋いナレーションには惹かれたが、所詮使い方が使い方なので…(以下自粛)。
ただただ、居心地の悪さだけが残った、何とも後味の悪いお芝居だった。
最後の「パラダイス」はもうちょっとテンポを落とすとかできなかったんだろうか。
主役二人のダンスがあれでは、見ていて切ない。