3回目、9列センターブロックにて観劇。
なんでこの芝居が自分にフィットしないのか考えてみた。。そのために阿修羅のビデオなんぞ見てみた。
で、理由がわかったのである。この芝居には「情」が足りない。
まあ時代活劇としてみれば、これでも及第点だろうけど、でも染五郎が本当にやりたかったのは、「戦神」として恐れられていた男「アテルイ」のその情ではなかったのか?
もうこの辺までくると個人的好みかもしれないが、中島かずきはこのテーマを十分に描ききってないように思える。
あと30分延ばしてこの辺を書ききることはできなかったんだろうか?
鈴鹿を入れるなら、この人にまつわる情がもっともっと欲しいところ。
そんななかで自分が引っかかったのはすべて「情」の見えるところだけ…。
だからなんだか田村麻呂にも同調できないんだよねぇ~。
堤さんは悪くないんだけど、なんだか、情が伝わって来ないんだもん。
染五郎は危なげなところもそこかしこに見えていたけど、でもやっぱり「情」芝居なんだよね。この人ってば。
一番この芝居のなかで「情」が全面に出てくるのが西牟田で、西牟田=アラハバキと最初から頭にインプットしてみると、この芝居のすべてが変わって見える。
アラハマキがアテルイを呼び戻すところ、神命丸をみる目つきなどなど…。
これは座席によるものもあると思うけど、今日は自分敵には西牟田DAYだったなぁ。。
かっこよかったし、泣けた。。
わたしのアテルイはもうこれで終わり。
是非阿修羅の再演をお願いしたいですわ
公演:Inouekabuki Shouchiku-mix「アテルイ」
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
場所:新橋演舞場
日程:8月5日〜8月28日
出演:市川染五郎・堤真一・水野美紀・西牟田恵・植本潤・橋本じゅん・粟根まこと・金久美子・渡辺いっけい ほか
チケット:一等席10,500円