この舞台は萩尾望都さんの同題のものが原作となってます。(こちらは16ページという長さ)
話の方はそれに野田秀樹なりにいろんな要素を追加したもの(まぁ、お得意分野ですから)です。
ひとことでいうと、ぼわ~~んって波紋みたいに何かが私の中で起こった舞台だった。
ひたむきに生きたいと思うシュラと何がなんやら分からず笑っているしかできないマリア。
そして人間のうちなるところに住む怪物達のいろんな思惑。
人間が人間であるが故に怪物っていうのは「巣くう」わけで、やっぱり野田さんの舞台は深いと思ったのだわ。
タンゴのリズムのことを「人間のリズムじゃない」というあたり、どういう背景で「タンゴ」という音楽が生まれてきたのか非常に気になるし、「霧笛」というものの私たちにとっての(特に野田さんにとっての)位置づけっていうのも気になるし、まだまだ宿題はいっぱいって感じです。
生きられないマリアのために音を作ってあげる…なんて素敵でそしてなんて悲しいことだろう。
それも霧笛だなんて、聞く度にシュラは自分と同じ顔をしたマリアを思い出すんだろうなぁ…。せつないなぁ…。
公演:NODAMAP「半神」
場所:シアターコクーン
日程:4月2日〜5月2日
作・演出:野田秀樹
出演:深津絵里・加藤貴子・勝村政信・野田秀樹・鷲尾真知子・山崎一・佐々木蔵之介・明星真由美ほか
座席:S席たしかBRの4番くらい7,500円