簡単に言えばもちろん事実とは違う「忠臣蔵アナザーストーリー」という感じか。
討ち入りに入りたくない大石内蔵助(橋本じゅん)、実は生きている浅野内匠頭(中村まこと)、そして侍らしからぬ堀部安兵衛(内田滋)ら家臣たち。そこに天野屋利兵衛(生瀬勝久)とその娘おかる(中越典子)と歌舞伎役者の宗十郎(藤木直人)が絡んでくる。
「そとばこまち」では伝説的な作品だったらしく、念願の再演という感じだったようです。
最初に発表された時には生瀬の主演ということで狂喜乱舞した記憶がありますから、藤木を入れることによって脚本結構いじったんじゃないのかな?
だからなのか分からないけど、すごくぶれた芝居になってた印象。何を言いたいのかさっぱり分からない。
劇場が大きいせいもあるのか、余計に分散している感じで。
いい役者使ってるし、シーン、シーンはいいところいっぱいあるのにな。
個人的にはもっと生瀬&じゅんを押した演出で見たかった。
もうちょっと天野屋に人生を狂わされる人たちというのをガッツリ感じさせて欲しかった。
それにじゅんにあの役はイマイチ。シリアスやらせるといつも何かが足りない感じしちゃうんだよな。
だから藤木が主演と言われても?だし、じゃあじゅんかっていうとそれも?で。
そういう中心の無い感じがこの芝居がぶれた一番の原因じゃないかと思う。
新谷とかやそちんとか、どうでもいい扱い。こんなに揃えなくても良かったのに。キャストの無駄遣い感がすごい。
ガヤもすごかったよね、と語るほどの出番もなく、これだったら誰でも良かった。
殺陣ももうどうしようもなかったし。人と対峙しない立ち回りだったらいらん。唯一の人vs人の伊達vsなんかG2演出の「魔界転生」思い出した。
比較用キャスト表
役 名 今回 前回(1989)
大石内蔵助 :橋本じゅん 生瀬勝久
天野屋利兵衛:生瀬勝久 山西惇
沢村宗十郎 :藤木直人 古田新太
浅野内匠頭 :中村まこと 升毅
堀部安兵衛 :内田滋 橋本じゅん
吉良上野介 :粟根まこと 桐山元一
清水一学 :伊達暁 粟根まこと
シロ :片桐仁 織田誠次郎
おかる :中越典子 みやなおこ
公演:サンケイホールブリーゼこけら落とし公演「冬の絵空」
場所:世田谷パブリックシアター
日程:1月12日〜2月1日
作:小松純也
演出・上演台本:鈴木勝秀
出演:藤木直人・橋本じゅん・中越典子・中村まこと・片桐仁・伊達暁・新谷真弓・六角慎司・内田滋・小松利昌・前田悟・武田浩二・八十田勇一・粟根まこと・加藤貴子・生瀬勝久
座席:S席1階O列右ブロック9,000円
時間:2時間45分(休憩15分)