第三舞台としての公演は初見。封印公演って言うんでかなり気合いを入れて見に行った。
「で、結局何が言いたいんだろう?」
これが正直な感想である。
第三舞台な人たちが演じているのを見ているのは、とても楽しいし、誰もがぴたっとその役にはまっている。
だけど何かが足りないんだよなあ。。。
伝えられない思いをネットやサイコメトリックによって表現していくのだが、これが逆にストーリーの中の人間性を消しているような気がする。
意図的であればいいんだけど、そうとは思えなかった。
それぞれの人の「7年間」への承認が薄い。
成志と京さんが演じている2人以外からは、その7年間の自分の中での葛藤が全然見えてこない。
だから、なんで帰りたいのか、なんで残りたいのか、その辺が不明瞭。
「もうひとつの世界」から来てない人たちが、何故そんなにも、もうひとつの世界へ行きたくなるのか、それもわからん。
山下裕子演じる「テン子」はそんな中でただ人間っぽく、そして感情が伝わってきて泣けた。
「語られなくなった思い」という冒頭の独唱、これがテーマであろうが、それが全然伝わってこなかった。
これで脚本はいいのか?はなはだ疑問。。
公演:第三舞台「ファントムペイン」
作・演出:鴻上尚史
場所:ル・テアトル銀座
日程:10月5日〜10月9日
出演:大高洋夫・小須田康人・京晋佑・池田成志・山本耕史・長野里美・山下裕子・筒井真理子・旗島伸子・高橋拓自・宮下今日子・横塚進之介
チケット:S席6,800円