歌麿・北斎・写楽らを世に生み出した、版元「蔦屋重三郎」のお話。
横内さんが26の時に書いたという脚本は、ほんとに良くできてると思う。
ここ数作の扉座の作品よりも、ファンタジーじゃなくて、人間を描いているように感じた。
全体的に、厚木公演は場当たり的な意味合いが多いのか、照明や転換、音響などでうまくいってない場面も多く、ぎくしゃくした印象はぬぐえない。
役者はというと、六角さんがやっぱり一人で全部持っていってしまった。
六角さんの切腹シーンは何度見ても息をのむ。
ほわ~んとしたところが持ち味の春町なので、あそこの真剣なところが余計に引き立って見えるんだよな。
銀ちゃんも悪くはないんだけど、ちょっと印象が薄い。
まだ自分の物になってないんじゃないかと思うんだよね。
最初の方は結構好みなんだが、版元として店を構えた後の、風格というか、職人というか、そういった感じが薄い。
プライドがあって、絶対にお篠のところには行かないと思っているその男っぽさっていうか、そういうのが見えなくて、
ただ女々しくお篠のところに行っちゃったような感じがするしね。
やっぱり成長する人の話っていうのは難しいのかな?
木村さんは、今まで女優さんに恵まれなかった銀ちゃんの相手役としては綺麗だし、泣いて欲しいところで泣いてくれるのでストレスはたまらない。
でももうちょっと女郎から抜けた時に何かあったら良かったな。
祐二くんは前半はおちゃらけ担当、後半にはシリアス担当。
この辺がうまくできる役者さんなんだよねぇ~。かっこいい~惚れた~。(またかよ)
扉座の役者さんについては、累央と杉浦くんが私的にはちょっとダメかな。
累央、歌麿がもんもんとしているところが、単なるヒステリーに見えて、あそこどうにかしてほしい。
杉浦くんは、一生懸命やっているところは買うが、何にせよ、うるさすぎる。最近の北区のようだ。
一人でうるさすぎるので、どうしても浮いてしまう。
騒ぐ以外に他の表現方法を身につけて欲しいものだ。
好きなシーンはたくさんあるし、だんだんスピーディーになってきてはいるので、新宿で大化けする可能性あり。
銀ちゃん次第だと思うんだがのう…。
(7月18~20日分)