2008年2月の記事一覧

とある古物商を営む小次郎の元に、ふとしたことから大作という記憶喪失の男が転がり込む。小次郎はその大作と一緒にしばらく住む事に決め、そこに幼なじみの恵という女性が絡んでくる。
小次郎は子供の頃順子という幼なじみと共に埋めたタイムカプセルを「30年後に一緒に出そうね」と約束し、それを守るために立ち退き要求も延長してもらっていた。その日がだんだんと近づいてくるのだが…。

だいたいそんな感じのあらすじかな？まずは何といっても二人のリズムの良さというか、相性の良さが見ていて楽しかった。
そこに恵というりょう演じる密かに小次郎に思いを寄せる女性が入ってくることで、アクセントになってて、いいリズム感になっていたんじゃないかな？
段田さんと中井さんの二人はもちろんいいんだけど、初舞台というりょうさんが、二人を信頼して預けきって思いっきり芝居しているのが微笑ましかったなー。思っていたよりも全然良かった。

お話の方は「男ってロマンチストね～」というのが一番の感想です。
小次郎は30年後に結婚しようね、と言った約束を忘れずに、まあそれだけが原因ではないと思うが、結婚せずに一人でタイムカプセルを埋めた場所に住んで待ち続けている。
お相手の順子は結局大作と結婚しており、でも、昔の思い出は覚えているあたりが、非常にリアルっていうか。そんなもんだよねっていう。
リアルと言えば、恵が「ゴーストならゴーストって依頼してくれれば喜んで受けるのに」といっていた仕事が、ほんとにゴーストライターになってしまったという辺りも、頭じゃ納得しているのに、心じゃやっぱり納得できないという感じが非常にリアルで、気持ちを考えるともう泣けて泣けて…。

最後の大作と小次郎が金のカエルを握って順子の声を聞くところとか、予想通りではあるんだけど、なんだかほろっときました。
優しい気分になれるいいお芝居でした。