2010年7月の記事一覧

何らかの事件があり、廃墟と化したとある町。そこに別の町からの一団がたどりつく。
この町の救済をしにきたというその一団はその町に住み始めるのだが…。

まあ簡単に言えばそんな感じのあらすじ。
人の不幸をちょっと楽しみにしちゃっている人とか、娘の友人だと思っていた人に裏切られ鴨にされちゃってる人とか、助けに来た家の娘さんを好きになっちゃったりとか、人生の縮図だね。いくら短くても。

双子の老姉妹の二人がよかったなあ。淡々としていてでも生活感があって。
正直今回の客演の二人のエピソードは蛇足感がいっぱいだった。
なんか出演させないといけないしがらみでもあるのか?
あそこの二人入れなかった方がスッキリして見やすい話になったと思うんだが。
緒川たまきのあの教師役とか、峯村リエちゃんのエピソードとか、もっともっと掘り下げて見たかったよ。
エピソードの割に時間が足りなくて、なんか盛り上がりに欠けた。かといってこれ以上時間が長くても疲れちゃうんだが。

それにしてもケラさんの脚本を作り上げる才能にはいつもながら感服。
ギリギリでこのクオリティだもんなあ…。

公演:NYLON100℃ 35th SESSION「2番目、或いは3番目」
場所:本多劇場
日程:6月21日~7月19日
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:犬山イヌコ・みのすけ・三宅弘城・峯村リエ・大倉孝二・松永玲子・村岡希美・藤田秀世・長田奈麻・喜安浩平・小出恵介・谷村美月・緒川たまき・マギー
座席:I列右ブロック 6,800円
時間:3時間20分(途中休憩15分)

野田地図本公演。脚本の出来も骨折してしまった銀粉蝶さんも気になります。
アンサンブルを入れてかなり大所帯な芝居。「真情あふるる軽薄さ」に通じる感じがしたのは私だけでしょうか?
扱っている事件がリアルなだけに、それにとらわれずに物語の本質にたどり着けたような感じがした。
野田さんらしい言葉遊びが書道教室という形で随所に見られたり、身体表現もすごくよかった。
世間的には批判的なものがきっと多いんだとは思うが、すごく野田さんを感じられた気がしてちょっと嬉しかった。
「パンドラの鐘」以来の出色の脚本だと思うんだが、たぶん批判的な意見が多そうだな。

出ているキャスト陣もよかった。銀粉蝶さんが間に合ってほんとによかった。
ソンハくん、野田さんに気に入られたな。まあ元から好きそうな素材だなあとは思っていたが。

終演後ロビーに出たら、パトカーのサイレンの音がしていた。
こんなところにまで演出?!と思ったら、リアルな音だったので、シンクロニシティに恐くなった。

(以下ネタバレ含みます)

公演:NODA・MAP第15回公演「ザ・キャラクター」
場所:東京芸術劇場中ホール
日程:6月20日~8月8日
作・演出:野田秀樹
出演:宮沢りえ・古田新太・藤井隆・美波・池内博之・チョウソンハ・田中哲司・銀粉蝶・野田秀樹・橋爪功
座席:1階P列左ブロック S席9,500円
時間:2時間10分

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