まずは昼のオーソドックスバージョン。
岡森さんの貫禄のある王様とキレちゃってる道化の対比が見事でした。
有馬さんこわいよ。。こわすぎる。。でもうまいよな~。
「目に見える」ものだけを全てとしてあきらめかけた人間に、「目に見えない剣」を持って戦っていくドンキホーテになりきった裸の王様。そしてそれではやっぱり敵わない。。
でもその時に
「俺はあの子供の前にもう一度行くべきだったのだ。
そして『王様もう服を着て下さい』と言われるまで、 笑われ続けるべきだったのだ」
という王様が悲しくてそして自分に取っての新しい一歩を踏み出す決意をしているその姿が神々しくて泣けた。
これぞ決定版ですな。ほんとに。安心して見ていられたし、岡森さんのなさけなーい王様がリアルさがあってよかったです。
犬飼さんが演じる大道芸のお父さん。これはすごいよ~。これだけでも一見の価値有り。好きだわ。ほんと。
そして夜21thバージョン。昼よりも確実に席が埋まっている。前説の岡森&有馬コンビにも笑わせてもらった。
昼の岡森さんの王様に較べるとたかシの王様はもっと若い。
もちろん実年齢もそうだけど(^^;;;、そうではなくて、岡森さんのは人生をすでに諦めて、
半ば悟りの境地に立っているのに較べ、たかシのは諦めきってない。
っていうかいろんなものに執着があるのが感じられる。簡単に言えばじたばたしすぎ。(爆)
累央くんの道化は道化って感じなんだよね。
昼のは完全に道化にコントロールされる王様であるのに対し、夜は道化がコントロールされてるの。
だから昼になったとき、道化と王様がスイッチしたときの説得性がある。
若手とは言え、どっかの若手公演と較べて全然見劣りはしないばかりか、新しい戯曲の可能性さえ見させてくれる。
またこんな企画やってくださいな。是非。
公演:扉座「愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸」
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:11月2日〜11月9日
作・演出:横内謙介
出演:岡森諦・有馬自由・石坂史朗・田中信也・犬飼淳治・村内貞介・伴美奈子・鈴木真弓・三木さつき・河合まどか
21thヴァージョン
山中たかシ・佐藤累央・石坂史朗・大坪直哉・犬飼淳治・村内貞介・仲尾あづさ・鈴木真弓・三木さつき・河合まどか
チケット:4,000円(21th Verは3,500円)