2001年4月の記事一覧

北区の中村真知子ちゃんが客演するということで見に行ったお芝居。

幕末の話ね。で、真知子ちゃんが竜馬で、それが結局殺されちゃう。
いいんだろうか?こんな真知子ちゃんよりの説明で(爆)。

いろんな思いが交錯しているのは、どの芝居の幕末ものでも大差はない。
ただ、竜馬が女だってことで、新幕末を思い出してしまった。
アンドエンドレスの若い役者さんたちは、かっこいいんだけど、何かが圧倒的に足りないんだよね。
見ていて、すか~っとはするんだけど、あれ?何だったっけ?ってなっちゃう。

いつも二部構成の舞台らしいんだけど、前半がかったるくて。。
後半のペースで、前半もやれば、1時間半くらいですむんじゃなかろうか。。

公演:アンドエンドレス「堕天」
作・演出:西田大輔
場所:東京芸術劇場小ホール1
日程:4月25日〜5月1日
出演:西田大輔・加藤靖久・窪寺昭・田中覚・濱田純司・村田雅和・八巻正明・大森裕子・兼森理恵・田中良子・中川えりか
ゲスト:塚本拓弥・牛若実・児島功一・中村真知子・秋野ひとみ

二回目の観劇。
一回目と大きく違うところは、マルコム役の高橋くんの代わりに大石継太さんが出ていたところ。
他には何も変わってなかったと思う。

それにしても、唐沢くんが喋ると猛烈に眠くなるのはなんでなんだろう?
別に悪くないとは思うのだが、あまりにも一本調子すぎるのかな?

大石さんは代役とはいえ、前にninagawaマクベスにてマルコムをやったことがあるから、
もしかしたら高橋くんよりもいいのかも。。。
高橋くんの場合は何にも分からなくて、そして不安で国外に出ちゃったって感じがしたけど、
大石さんの方は、もっと違う何かがあって国外に逃亡したような、そんな感じがした。
王家の血を引いているその気高さなんかは、大石さんの方が良かったかも。。。

今日は二列目だったので、勝村くんと唐沢さんの二人の決闘シーンに、目が奪われた。
かっこいいわ、やっぱり。。。
最後、マクダフが倒れるんだけど、あれって本当は無いシーンなんだよね??
死んだのよね?やっぱり。。

それから、変なところで拍手をする客をどうにかしてほしい。

公演:マクベス
作:シェイクスピア
演出:蜷川幸雄
場所:シアターコクーン
日程:3月30日〜4月30日
出演:唐沢寿明・大竹しのぶ・勝村政信・六平直政・高橋洋・神保共子・立石凉子・梅沢昌代・大川浩樹・妹尾正文

いつもの扉座である。説教くさかったりするのも私は結構好きなのだ。

再演というだけあって、すごく良い。
近藤さんも噂によると風邪をひいている、ということだったけど、そんなことは感じさせない、ほんとにスターだった。
二十面相が復活してからオーラびしばし出てる。すごいよ。。

たかシの滑り方、それからおやじ三人組のもの悲しさも、周りの人間のご主人を思う気持ちもすごく伝わってきて、泣ける。
累央くんも、初演では有馬さんがやった役をすごく切なく演じていた。
ありがちな話、ありがちな展開、でもやっぱり心温まるいいお話。
夕焼けが見えたもの。。。

扉座「アゲイン−怪人二十面相の優しい夜−」
作・演出:横内謙介
場所:紀伊國屋サザンシアター
日程:4月26日〜5月3日
出演:近藤正臣・伴美奈子・佐藤累央・杉山良一・石坂史朗・中原三千代・犬飼淳治・鈴木真弓・中尾あづさ・村内貞介・吉良咲子・六角精児・茅野イサム・有馬自由・ 山中たかシ・高橋麻理・鈴木利典・三村晃弘・岩本達郎・永田典之 ほか
チケット:指定4,200円

大人の学芸会ってコンセプトらしいです。
政治の臭いを入れているんだけど、それがうまく取り込まれておらず、空回りっていうか、
すごく違和感を感じた。
ただ、生きているのに死んでいたり、またその逆だったりして、本当に生きるということ、死ぬということを自分に考えさせる作品ではあったと思う。
冨樫さんの切れ方が半端じゃなくて好き。

だけどいまいち消化不良っていうか、入り込めなかったな。。。

公演:流山児★事務所「ゾンビな夜」
作:石井貴久
演出:山崎哲
場所:ザ・スズナリ
日程:4月24日〜4月30日
出演:関根靖晃・冨樫真・横須賀智美・里美和彦・北村魚
チケット:3,500円

女ばっかりの西部劇ってことで銘打たれた芝居。

早撃ちエルザは西部劇に出てきそうな街にやってきた。その街では殺しがおき、男達が消えているのに、みな現実から目を背け日々を暮らしている。
結局こういう話だよね?たぶん。

なんかみんな狂っているんだよね。
唯一まともな人間も途中で殺されちゃうしさ、狂い方が結構こわい話だった。
発砲が何度となく繰り返されるのは別に嫌じゃないんだけど。恐かったよ。

犬山・松永・明星・新谷がいい。
犬山のギャグに話が深刻にならずに済んでるな。
明星さんがカウボーイの格好に着替えた後がかっこよすぎる。
戸川純の存在、そしてその歌もなんかもの悲しげで好きだ。

次回のナイロンは男だらけの公演。これも見なくちゃね。
客席にはくどかん、乾貴美子さん、高橋由美子さんなど。物販の三宅くんがツボ。

ナイロン100℃「すべての犬は天国へ行く」
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
場所:本多劇場
日程:4月6日〜4月22日
出演:犬山犬子・峯村リエ・松永玲子・今江冬子・長田奈麻・新谷真弓・村岡希美・明星真由美・横町慶子・森野文子・戸川純 他
チケット:指定4,500円

鴻上さんの昔の作品のリメイク。

作品的には断片的でそれで終結しない、という鴻上さんにありがちなパターン。
わたしは物語的には結構好きかな?
ドラッグで何度も夢を見ていたために、現実の未来はいつもデジャヴだったという話。(だよね?)

でも役者陣、特に長塚、河原の勢いがありすぎて、全体をばらばらにしている印象を受けた。
かろうじて広岡さんが一生懸命まとめようとしているのだが、吉野公佳と西尾まり、佐藤アツヒロという三人がどうもしっくり来ない気がした。
菊地さんは良かったけど、もうちょっと出てくるとバランス的には良いのでは??
長塚・河原暴れまくり。ま、二人の勢いが好きな私は全然OKなんだが、アツヒロ目的で来たファンには物足りなかったんじゃないのかな?

公演:RUPプロデュース「デジャヴ01〜伊集院警部補の憂鬱〜」
原作:鴻上尚史
劇作:戸田山雅司
演出:板垣恭一
場所:紀伊國屋ホール
日程:4月6日〜4月22日
出演:佐藤アツヒロ・河原雅彦・長塚圭史・広岡由里子・西尾まり・菊池均也・吉野公佳 他
チケット:指定6,800円

さて最後のCチーム。
はっきり言うと迷いが見えたな。稽古不足っていうか心理描写ができてないというか、個々の達彦さん像、伝兵衛像が見えてない印象。

全般的に伝兵衛は少年すぎ、冷静すぎ。伝兵衛には見えない。
水野との愛をどうしても貫けなかった悲しみが全く見えてこない。わたしにとってはこれは「だめ」だな。
あと哲也くんが身体を振りながらでないと、台詞が言えないっていうのも気になっちゃった。

達彦についても、いつもの器用なきょんきょんが見れただけで、達彦らしさ、とか言ったものは全く感じられなかった。花婿って感じはしたけどね。

だからついつい目は大山と水野を追ってしまう。
日々成長していくこの二人のお陰で、熱海の海岸のシーンは、化け物のようになっていた。
「トップになって母ちゃんを見返してやる~」
「だったらあんた母ちゃんころして~」
のアイ子の叫びが悲痛に聞こえてきた。
そして浅ましい女の底知恵がその裏に見え隠れする。
正直、こんなに胸をついたアイ子は久しぶりだ。真奈美ちゃん、晴美ちゃんの時には感じられなかった。
「女という生き物の浅ましさ」
が私の中に何かを投げかけた。

大山の「アイちゃん~」もこんなになってしまったアイちゃんを恨む気持ちや、自分の手でどうにかしてあげたいという気持ちなんかが、いっぱい伝わってきて、意外にもこのシーンで泣いてしまった。
熱海のシーンはほんとに今まで類を見ないほど良かった。

二週に渡って3チーム見てきたが、あゆみさん&友部くんのゴールデンコンビを囲んで、赤塚くんと川畑くんで母無しバージョンを是非やってみてほしい。
サバイバルの結果として。

出演されたみなさん、お疲れさまでした。
そして通いつめたみなさんもお疲れさま。楽しかったね。やっぱり熱海は好きだな~と痛切に感じたです。
祐二くんの伝兵衛見たいな~。やっぱり。

公演:北区つかこうへい劇団「熱海殺人事件〜ザ・ロンゲストスプリング〜C」
作・演出:つかこうへい
場所:シアターX
日程:4月12日〜4月15日
出演:木村伝兵衛…山本哲也,熊田留吉・茶畑達彦…黒川恭佑,大山金太郎…友部康志,水野朋子…相馬あゆみ,砂田亀吉…武田義晴,母…とめ貴志

蜷川チックな舞台装置、そして衣装と音楽。
一面に張り巡らされた鏡とその使い方が見事。
それだけでも楽しめるな、わたしの場合。

今回のこの舞台、やっぱりおいしかったのは、マグダフをやった勝村くん。
まあストーリーがそういう展開だしね。正義の味方?
だけど、本当によかったよ、勝村くん。
でも高橋くんと勝村くんの二人の相談の場面は、二人とも同じ調子で喋るもんだから、退屈になったりもしたけど。
マクベスにしてはマクベス夫妻、特に妻が普通に描かれていたのが印象的。
大竹しのぶは相変わらずだった。
でももっと彼女の人生を描いて欲しかったな。特に自殺するところとか。
わたしはマクベスはマクベス当人よりも奥さんのお話だと思っているので。

休憩15分を含んで約3時間の長芝居、頭に残ったのはマクベス夫人の手を洗うシーンと頭にはちまきを巻いた勝村くんでした。

公演:マクベス
作:シェイクスピア
演出:蜷川幸雄
場所:シアターコクーン
日程:3月30日〜4月30日
出演:唐沢寿明・大竹しのぶ・勝村政信・六平直政・高橋洋・神保共子・立石凉子・梅沢昌代・大川浩樹・妹尾正文

心配していたBチーム。でも思うより嶋さんの活舌も気にならなくなっていた。
もともと伝兵衛の台詞だったやつを水野が代わりに言っていたりしたからなのかな??
でも嶋さんの成長ぶりはなかなか。(^^)
去年祐二くんのを見ているだけに祐二くんとかぶる場面はいっぱいあったが、彼なりに明るい伝兵衛を作っていたように思える。
(わたしは暗い陰を背負っている伝兵衛の方が好きなんだけどね)

川畑くん・友部くんの成長ぶりがなかなか良かった。
去年できなかったことを、取り戻すかのようにいきいきとやっていた。

ただね、嶋さんの水野に対する愛が全然伝わってこない。
これは伝兵衛にとっては致命的。
この前までストリッパーで愛のお話をやっていた赤塚くんにはできたことが、できないっていうのは単なる経験不足なのだろうが、それにしても愛の無い伝兵衛は見ていてつらい。
達彦さんの水野への愛、そして水野の伝兵衛への愛が見えるだけにつらすぎる。

大山の友部くん。
いやぁ悪ですね~。犯人ですよ、やっぱり。
これも好きだな。そして貫禄が出てきたよね。うんうん。
このチームは水野がなんで達彦を選んだのか、それが分かりすぎるくらい分かったチーム。
んでもって母が出てくるから、伝兵衛がおいしいところを持っていけない。
母に「幸せにしますから」という伝兵衛は祐二くんよりも切なさが伝わってきて良かったんだけどね。
元々このシーン、いらんと思っているので…。

嶋さんがもうちょっとどうにかなれば、このチームは経験があるだけに、もっと良くなると思う。
台詞のタイミングとか、もう少し考慮して欲しいけど。。。
(川畑くんの「事件は…神戸六甲赤猫谷」のところ突っ込みすぎ。)

公演:北区つかこうへい劇団「熱海殺人事件〜ザ・ロンゲストスプリング〜A」
作・演出:つかこうへい
場所:シアターX
日程:4月7日〜4月11日
出演:木村伝兵衛…嶋祐一郎,熊田留吉・茶畑達彦…川畑博稔,大山金太郎…友部康志,水野朋子…相馬あゆみ,砂田亀吉…武田義晴,母…とめ貴志

まず気になったところ、赤塚くんの背の高さ。
まあ周りもそんなに背の高い人じゃないので、立っていればそんなに気にならないのだが、あの椅子に座ると顔が見えない。(苦笑)
シークレットブーツを履くとか、椅子を変えるとかして、伝兵衛の顔が見えるようにして欲しかった。
それからスナカメのスーツ、大きすぎ(爆)。これじゃあスナカメじゃないでしょうに。
わたしの描くスナカメだったら、絶対にオーダースーツだもん。

さて感想ね。

いやぁ侮ってました、Aチーム。ごめんなさい。謝っちゃおう。先に。
やられましたよ、赤塚伝兵衛のその水野のことをひたすら思う想いに。
ほんとに好きだったんだねぇ、そしてどうしようもなかったんだねぇ、と思わせてくれた。
水野の独白も伝兵衛のことを好きで好きで、でもどうしようもなかった気持ちがほんとに伝わってきた。
そしてそれを見ている伝兵衛の目には涙がいっぱい溜まっていた。
どう見ても、31歳には見えないが、若い「愛」をその目から見られたような気がする。

そして大山。渡辺くんの好演。
「いい奴なんだよ、ただ蛍が好きなだけの」
このスナカメの台詞から飛び出してきたような明るい、そして蛍が好きな大山でした。
少年っぽさが「村からほんとに出たことのない」そんな背景を裏付けているような気がしてね。

それから熊田。
吉浦くん痩せすぎ、そしてぎすぎすしすぎ。んでもってハングリーすぎ。
これからさ、花嫁を迎えようとしている人には見えないもん。
水野を愛するが故に無理矢理熊田と入れ替わって、心配になって来ちゃうわけじゃん?
でも残念ながらそうは見えなかった。
「達彦さんの暖かさに包まれて」
って台詞が妙に嘘臭くなっちゃったよ。。。

でも全体的に見てみればほんとに良かったよ。
バランスが悪いところもあったけど、達彦さんを除いたらいいものになっていたと思う。
これも「母」のエピソードが無かったからか?
ほんとにいらん、あのシーンは。伝兵衛がかっこよく終わる、それでいいじゃん。

公演:北区つかこうへい劇団「熱海殺人事件〜ザ・ロンゲストスプリング〜A」
作・演出:つかこうへい
場所:シアターX
日程:4月4日〜4月7日
出演:木村伝兵衛…赤塚篤紀,熊田留吉・茶畑達彦…吉浦陽二,大山金太郎…渡辺和徳,水野朋子…相馬あゆみ,砂田亀吉…武田義晴

すごくおもしろかったしこの世界がやっぱり好きだな。うん。
所々に危なげなところはあったけど、それはそれで許せるし。

今日の座席には大倉くん@ナイロンと柄本さん、そしてばさらぎの手塚とおるさんがいらっしゃってました。
うーん。らぶりー。

さて2日経ったのでいろいろ考えた感想を書きましょう。
エロスを求めた母、そしてエロスを禁じた息子。
その再会、そして初恋。
簡単に言えばこれだけの内容なんじゃないのかなあ?それがすごく素敵な感じ。
この世の最後を見せたかった母は、自分の身を持ってしてこの世を終わりにする。
そして最後に残ったのは何も知らない、それでもエロスを持っている二人の子供。。。

サダヲ演じる「サイゴ」の非日常すぎる生活。そしてその回りも非現実すぎる。
これはどこの世界のお話??
でも考えていることはひどく現実的。そのギャップが溜まらない。
エロスの果てにはエロスがあった。。。とわたしには解釈できたんだけどね。
戯曲買ってきて読もう。

印象に残っている台詞たち
「あぁぁ、馬鹿にヘリコプター見せちゃだめだよ。大好物なんだからさ」
「もがー」
「電気椅子」…誉め言葉なのね。。絶句。

大人計画「エロスの果て」
作・演出:松尾スズキ
場所:本多劇場
日程:3月14日〜4月1日
出演:阿部サダヲ・宮藤官九郎・荒川良々・伊勢志度・宍戸美和公・猫背椿・村杉蝉之介・田村たがめ・池津祥子・ドロレスヘンダーソン・近藤公園・平岩紙・皆川猿時・秋山菜津子・宮崎吐夢・松尾スズキ・顔田顔彦
チケット:指定4,700円

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