2000年12月の記事一覧

二回目のトリのマーク(通称)。
あのほのぼのスペースは相変わらず。
でも今回はステージが広い、というか、スズナリを全部使っての芝居に、すごく動きを感じた。照明もよかった。
井戸から袋を取り出すことに何の意味があるのか、結局理由は分からずじまいだったが、これもそんなに大事なアイテムではないのか?
それを取り出す彼女に、すごく惹かれていった。
後ろ姿と照明とに泣かされそうになった。

この前も感じたことだけど、トリのマークって、場所にすごく重心を置いたお芝居なのね。
そしてその場所がものすごく心地良いんだよね。。。

公演:トリのマーク「迷路(スーク)を抜けて果樹園へ」
場所:ザ・スズナリ
日程:12月22日〜12月24日
作・演出:山中正哉
出演:柳澤明子・出月勝彦・丹保あずさ・櫻井拓見・中村智弓・山中正哉
チケット:2,200円

別実さんが書いた「不思議の国のアリス」のお茶会のお芝居。

「不思議の国のアリス」ってもともと哲学的で、わけが分からないんだけど、 そんな訳のわからなさが、すごく表現できていて、ほんとに「絵本から飛び出した」って感じだった。
出演者のみなさんが、ほんとに楽しそうにやっていて、見ているこっちもほわ~っとした気分になれた。
こどもステージということで、前の方の桟敷は子供用に用意されていたんだけど、 なあんかね、この子供達もかわいかった。
分かるものは子供にも分かるのでしょうな。
それにしても木下さんのチェシャ猫は反則。おもしろかった。

公演:円こどもステージ「不思議の国のアリスの帽子屋さんのお茶会」
作:別役実

竹中直人、岸田今日子、小泉今日子のお芝居。

前半は結構緊張感もあって、いい感じだったのになあ。
後半は「で?」っていう感じが否めない芝居。
俳優さんたちはみんなよいのに、話が伝わってこなかった。

岩松さんの台詞って、結局岩松さんでしか表現できないような気がするんだけど、 それって気のせいだろうか?
劇中でいろんな人が話せば話すだけ、わけわからなくなってくる。
まあ、それが岩松さんの意図とも思えるし(劇中でみんな壊れてるから。。)、いいんだけど、 ところどころに出演する岩松さんの台詞を聞くと伝わって来るんだもん。
やっぱり稽古不足&脚本ができてくるのが遅かったんだろうな。。。

公演:竹中直人の会「隠れる女」
場所:本多劇場
日程:12月7日〜12月30日
作・演出:岩松了
出演:竹中直人・岸田今日子・小泉今日子・矢沢幸治・岩松了
チケット:5,000円

噂に違わず猛烈に眠かった。 それぞれの役者さん、特に片桐さんはすごい熱演だったんだけどね。。 性に合わないのかしら。。

結局何が言いたいのかわからない、っていうか、ゴドーも来ないし、 どうどう巡りしているわけだよね?
まあ、意味がない、っていうお芝居らしいので、この感想もあながちハズレではないみたいだけど、なんか、もっとこう何かあってもいいんじゃないかって思っちゃった。
冨樫さんの使われ方に疑問。 そういえば今度の現代制作舎で主演の公演があるらしいっすね。
作品によっては見に行ってもいいけど、きっとまた重いんだろうなあ。

公演:ゴドーを待ちながら
場所:世田谷パブリックシアター
日程:12月9日〜12月24日
作:サミュエル・ベケット
演出:佐藤信
出演:石橋蓮司・柄本明・片桐はいり・村松克己・冨樫真
チケット:A席5,000円

同タイトルの小説および先日まで放送していたドラマの舞台化。
ただしドラマはほとんど見ていなかったので比較することは不可能。

何と言っても久世星佳だ。それにつきる。ただの男前ではない、かっこいい女だった。
最初はただのパート勤めのおばさんが、同僚の夫殺人の死体遺棄を手伝ったお陰で人生は一変する。
登場したときには化粧っけのない、無愛想な、そしてただの怖い人だったのだが、 何故か生き生きし始め、綺麗になり、そしていろんな人を惹きつけていく。
その様が見事だった。
小市さんに犯されているシーン、そして彼を刺して、それでも一緒に逃げようとするシーンが、 あまりにも強烈で、そしてあまりにも愛に溢れていた。
「生きることに絶望していた」彼らは、同じことに魂を揺さぶられている同志というか、 そういう人同士でないと理解できない、そんな「秘め事」を二人はいつも欲していたのね、きっと。

このお話は香取の新しい世界への旅立ちのようにも思えるし、佐竹との愛の物語のようにも思える。
ほんとに見事としか言いようがない。美しくなっていく久世さんはただただあっぱれだ。

あまりに壮絶。ショックすぎて言葉が出てこない。
しばらく考えてまた書き足したいと思う。

公演:自転車キンクリートSTORE「OUT」
場所:全労済ホール SPACEゼロ
日程:11月29日〜12月10日
原作:桐野夏生
脚本:飯島早苗
演出:鈴木裕美
出演:久世星佳・竹内都子・松本紀保・歌川椎子・小市慢太郎・田中哲司・佐藤二郎・樋渡真司
チケット:5,000円

とめさん出演の回。

まずはそのテーマの取り上げ方と、ストーリー展開。
あまりにありふれていて、何の新鮮さも感じない。まあ、古典的でいいかとも思うが…。
「ロベルトズッコ」を見たときの感想と似ているのだが、「で?」っていう感じがどうしても残る。
主人公の朝倉と重についてはいろんな展開があるが、その他の人に関してはあまり突っ込まれておらず、 単なる出演者というほかの印象はない。
特に川村に使われている二人の看守が、なぜ豊田の墓を作ってあげるのか、 その辺の描写がいまいちなような感じを受けた。

ただ、重を演じていたとめさんのあの渋さはわたしのとても好きなタイプであり、 この前の二等兵に続いて魅惑してくれた。
春子を演じた熊谷さんの悲しさにも胸打たれるものがあった。
できることなら智則くんの出演の回を見てみたかったな。。

公演:スケアクロウズ「遥かなる幻影」
場所:ザムザ阿佐ヶ谷
日程:12月6日〜12月12日
作・演出:岩瀬浩司
出演:春田純一・関根大学・藤田健次郎・とめ貴志・熊谷美香・篠原功・風間秀司・上田ボッコ・伊藤茂 ほか

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