2007年4月の記事一覧

モダンスイマーズのお芝居は一度見に行きたいと思ってまして(扉座とかで蓬莱さんの脚本素敵だと思っていたんで)、今回は新感線の高田聖子さんが出るということで、これはチャンス!とチケットを取らせて頂きました。客席はほぼ埋まっていたと思います。
さてこのお話は一晩のお話です。いわゆる「ニート」なノボル(津村)が熱を出して寝ているところに、兄サダオ(古川)の嫁千穂(高田)がやってきて世話をしている。自分にとって徹底的な日だったあの日を夢で何度も見て、「○○がいなければ」と思いそれを実行する(夢の中で)のだが、やっぱり自分の思った通りの展開にはならない。周りの人とうまく人間関係を作れないノボルのいらだちや「おれが日本を守るんだ!」と言ったアックンへの憧れとか、隠していた千穂への思いとか、何度も同じ夜を回想し、少しずつ変化をもたらすことがノボルという人間の成長へと繋がって行きます。

最後の、サダオと千穂が手を振りながら、あの窓から下を見ていて「あいつ手を振ってる」という二人の背中に、ノボルへの愛情がいっぱいに溢れていて素敵でした。
でも、聖子ちゃんって外に出るとなんで「淫売」な役ばっかりなんだろう。もしくは「はっちゃけ」キャラか、どっちかだよね?この辺りの使い方が少しもったいないな、と思ったり。話としてはなんか結構あっさりテイスト。わたしはもうちょっとドロドロした方が好みなのかもしれませんな。

公演:モダンスイマーズ「 回転する夜」
場所:THEATER/TOPS
日程:4月18日~4月30日(4/18はプレビュー公演)
作・演出:蓬莱竜太
出演:古山憲太郎・津村知与支・小椋毅・西條義将・古川悦史(文学座)・高田聖子(劇団☆新感線)
座席:D列 指定3,300円
時間:1時間30分

さてこちらは日本の画家のお話。写楽という人間の解釈の1つでした。
話の方は十返舎一九の語りで、写楽(=イノ)と歌麿(ユウスケ)という二人の人間の昔から、写楽の死までを一九の語りで話して行く。
イノがお加代との不倫の果てに子供が出来、子供が産まれるとイノの元に子供を引き取ってほしいとやってくる。もめた挙げ句、お加代は「イキながら死にたい」と言い出し、包丁を自分の喉に当て、その包丁を抜いたイノはその場にいたお米たちにお加代殺しの下手人と勘違いされて逃亡の旅に…。そして10年がたち、イノとお米は絵を見てほしいとユウスケの元を訪ねますが、当然ユウスケには相手にされず、たまたまそこにやってきた蔦屋によって、イノの絵が日の目を見ることになるのだが…。
とかそんな感じのあらすじ。
「きらら浮世伝」の時に、浮世絵のこといろいろ勉強したもので、話としては特に難しくもなくスンナリと入ってきた。舞台装置も無駄な物は出さず、シンプルにした中に和の生音が響いて日本的で素敵でした。わたしはスズカツさんの演出ってやっぱり好きなんだよなー。
なんかわたし堤さんの芝居っていつも批判してることが多いなーと思いつつ、今回も「またこれか」とがっかりしてしまったです。この堤さん、もう見飽きたよ…。なんかもうちょっと違う芝居できないのかしらね…。微妙。
長塚の冷たい感じとか、自分が好きな女の死体を前に、狂ったように絵を書き出すところなんかはかなり好きでした。
ドリさんのあの色気のあるお加代と、その娘のハルのほわーんとした雰囲気と、ああも対照的な女性を二人も演じることができることに感動しました。

公演:SISカンパニープロデュース「写楽考」
場所:Bunkamuraシアターコクーン
日程:4月5日~4月29日
作:矢代静一
演出:鈴木勝秀
出演:堤真一・高橋克実・長塚圭史・キムラ緑子・七瀬なつみ・西岡徳馬
座席:1階BR列 S席8,500円
時間:約2時間

とあるバーで老婆の口からスーラ(中井貴一)・ゴッホ(生瀬勝久)・ゴーギャン(寺脇康文)、そしてシュフネッケル(相島一之)という画家たちとの昔話が語られる。
舞台は1888年のパリ。四人の画家たちは共同でアトリエを借りていた。そこにモデルとして、ルイーズ(堀内敬子)がやってくる。彼女を取り巻く四人の思い、四人の友情と芸術家としての嫉妬や策略など、いろんな思いが交差する。

もちろんこの話は架空のお話で、四人が同じアトリエを借りていたとか、ルイーズという女性の存在もフィクションです。
わたしは美術関係には疎いものでゴッホとゴーギャンの喧嘩とか、全然知らなくて見ていました。(3人の絵は見たことある程度です)
三谷さんの作品で、久々に当たりを見た、という感じがしました。高田馬場もよかったですが、わたしはこっちの方がより好きです。三谷さんって人間の感情って表に出させないという感じがありますが、今回は人数が少ないせいか、「芸術家の友情」というテーマのせいか、感情が全面に出て来て、すごく引っぱられました。演じられた皆さんも、さすがに上手い方ばっかりで魅せられました。
どたばた加減も心地よく、シュフネッケルの存在の素敵さも哀しさも、うまくこの画家たちの関係性を保っていたと思いました。
細かくいろいろ書きたいとは思うんだけど、なんだか胸がいっぱいで…。

公演:PARCO presents「コンフィダント・絆」
場所:パルコ劇場
日程:4月7日~5月6日
作・演出:三谷幸喜
出演:中井貴一・寺脇康文・相島一之・堀内敬子・生瀬勝久
座席:F列左ブロック 指定9,000円
時間:2時間40分(途中休憩有り)

三田政吉追善公演という名でオールキャストを招いて打たれたこの公演。
まあそんなこんなな事情なので、いつもの知っている「忠臣蔵」と切り口が全く違って困る(苦笑)。主要キャストに見せ場を作るために、三幕のちょっとしか出ない横内さんだとか、忠臣蔵なのに、刃傷事件が無いとか、討ち入りの時に全く姿を見せない内蔵助とか、一番フューチャーされてるのが、吉良の家来と想いを寄せてる女だったり、もうわけが分かりません。一番きつかったのは三田さんと東新くんの大石親子。三田さんのあののんびりな口調も眠気を誘うけど、東新くんのあの下手さったら無いっす。肩から抱きついちゃってますし、この二人のシーンは拷問だった。
音無さんと松山さんの兄弟のシーンはよかったんだけどな。
銀ちゃんは「毛利小平太」役。例の絵図面を取ってくる役で、小林綾子扮する「しの」との色恋沙汰とかいろいろ見せ場はたくさんあるもののなんか微妙でした。

公演:三田政吉追善公演「忠臣蔵 ~いのち燃ゆるとき~」
場所:明治座
日程:3月3日~4月22日
作:宮川一郎
演出:石井ふく子
出演:西郷輝彦・藤田まこと・松平健・三田佳子・赤木春恵・淡島千景・音無美紀子・小林綾子・堤大二郎・東新良和・波乃久里子・野村真美・長谷川純・林与一・松村雄基・松山政路・山崎銀之丞・横内正
座席:A席1階10列10番台13,500円
時間:4時間(途中30分と25分の休憩有り)

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