2008年8月の記事一覧

今回「幕末純情伝」というタイトルが付いていましたが、過去の公演を見た私から言いますと「幕末純情伝異聞」という感じで全くの新作です。
今までの感覚で&歴史の幕末好きで見に来られた方にはご愁傷様としか言いようのない、相変わらずのというか最近のつかワールドが展開していきました。
でも最近のつかさんの作品を見ている者としては「こうなるのは分かってたじゃん。」という感じ。
つか作品の総集編とでもいいますか、他の芝居に出てきた台詞がポンポンと舞台の上に投げ出されていきます。

でも思ったほど酷くなかったよ、脚本は。それよりも演出のひどさというか、稽古不足というか、掘り下げ方が足りないというか、そういうのが気になった。

正直、センター二人は見るに堪えないというか、印象薄かったんで、特に何もコメント無し。関係ないところばっかり見てたしね。
二幕のジェットストリームの真琴さんはやっぱり花道から登場して欲しかった。真琴さんここはかっこよかったのにね。橘くんのあの舞踏とかも花道とかでやってあげればファンの人たちは満足したんだろうに、もったいない。

役者で言えば、舘形さんと吉沢くんが良かった。この二人、何にも考えないでつかさんの胸に飛び込むことができたんだろうな、という感じ。いろんなものをかなぐり捨てて昇華した感じがした。吉沢くん、下衆野郎が見事にはまっていて、好感度上がりました。

以下壮大なネタバレ予定。

公演:幕末純情伝ー龍馬を斬った女ー
場所:新橋演舞場
日程:8月13日~8月27日
作・演出:つかこうへい
出演:石原さとみ・真琴つばさ・吉沢悠・舘形比呂一・山崎銀之丞・橘大五郎・矢部太郎(カラテカ)・トロイ・若林ケン・早坂実・宇津宮雅代・武田義晴・赤塚篤紀・岩崎雄一・小川岳男・川畑博稔・とめ貴志・清家利一・古賀豊 ほか
座席:一等席 9列10番台9,000円
時間:2時間50分(休憩20分)

久しぶりの納涼歌舞伎。
今回は紅葉狩りと愛陀姫です。

<紅葉狩り>
なんと言ってもその背景の綺麗さにうっとり。更科姫を演じたのが勘太郎さん。勘太郎さんの女形は正直そんなにいいとは思わないのだが、今回の舞には結構引きつけられた。途中平維茂が寝始めて睨みを効かせるところとか「豹変」という感じでしたし。
最後の決闘のシーンもドキドキしながら楽しませていただきました。
芝のぶちゃん綺麗だったなー。

公演:八月納涼大歌舞伎 第三部「紅葉狩り/野田版 愛陀姫」
場所:歌舞伎座
日程:8月9日~8月27日
<愛陀姫>
作・演出:野田秀樹
出演(愛陀姫):中村勘三郎・中村七之助・中村橋之助・中村勘太郎・片岡亀蔵・坂東彌十郎・中村扇雀・中村福助・坂東三津五郎
座席:一等席 4列センター上手側 12,000円
時間:3時間(休憩30分含む)

久々な感じのする松尾スズキ。音楽劇の形を取っていて「キレイ」っぽい感じがそこはかとなく致しました。

東京のとある劇団の座付き演出家の天久六郎(染五郎)がこのたび歌舞伎役者である滝川栗乃介(阿部サダヲ)と組みCMの撮影をする予定であった。
打ち合わせの場所に向かう滝川の車を運転する「肉弁慶」の店主が、人身事故を起こしてしまう。その跳ねた人間というのが天久の高校時代の恩師山岸諒子(大竹しのぶ)の夫、鉱物(浅野和之)であった。
彼は自分の妻、諒子が高校時代に天久とした「天久が有名になったら女優として諒子を使う」という約束を果たしに来たのだった。

あらすじはこんな感じかと思います。
かなり面白かったと思う、今回。ギスギスした感じとかすごくリアル。
松尾ちゃんの私小説でもあるんだろうけどさ、いろんな人の思惑が絡んできて、公表しようにも公表できないという「大人の事情」とかが身につまされたというか。

劇中劇である「抱かれた女教師」をナレーションする皆川さんがステキ。そしてハタ坊な松尾ちゃんは最高です。
気が狂ってしまった山岸先生はブランチのようで。でも最後に救いがあるのがこの話のいいところ。
そして鉱物の一途な想いになんか泣かされた。「銃に撃たれた鹿」ともども泣かされました。

公演:女教師は二度抱かれた
場所:Bunkamuraシアターコクーン
日程:8月4日~8月27日
作・演出:松尾スズキ
出演:市川染五郎・大竹しのぶ・阿部サダヲ・市川実和子・荒川良々・池津祥子・皆川猿時・村杉蝉之介・宍戸美和公・平岩紙・星野源・少路勇介・菅原永二・ノゾエ征爾・浅野和之・松尾スズキ
座席:S席1階E列センターブロック 9,000円
時間:3時間30分(休憩20分)

解散までこの公演を入れてあと3回という、ファイナルカウントダウン公演。
MOPオールキャストが出演ということで、もちろん行きました。行かせていただきました。

1979年 浜松の老人ホーム
辻本さんというおじいさんの死んだ夜からストーリーは始まる。そこにいる滝口さんという女性(滝口ヒカル=キムラ緑子)には「最初の亭主を目の前で銃で撃たれた」という過去があるそうで…。

物語はそこから1939年の上海、1959年の京都撮影所、そして1931年の銀座と、時間軸をごちゃごちゃにしてパズルにしたようにストーリーは進んでいく。

正直、MOPってみんな上手いんだけど、脚本がいつもマンネリっていうか、よくある展開になっちゃうんだけど、今回はもうちょっと感情の起伏があるというか、コメディっぽい感じというか、マキノさんが解散を決めてから脚本的に吹っ切れた感じがした。
久しぶりの3トップが揃ったっていうのもあるんだろうけど、やっぱりこの劇団はドリさんがきちんとセンターを張った方が、らしさが出るというか、のめりこめるというかそういう感じがした。

公演:劇団M.O.P.43回公演「阿片と拳銃」
場所:紀伊國屋ホール
日程:8月6日〜8月18日
作・演出:マキノノゾミ
出演:キムラ緑子・三上市朗・小市慢太郎・林英世・酒井高陽・木下政治・奥田達士・勝平ともこ・岡森諦 ほか
チケット:E列センターブロック 5,500円
時間:2時間

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