つかこうへい復活祭「熱海殺人事件NEXT~くわえ煙草伝兵衛捜査日誌~」

つかこうへい復活祭ということで、つかさんが劇団公演でやっていたように破格の2,500円。
それも銀ちゃんが伝兵衛ということで、キャストにはいろいろ不安がありながらも、もちろん行かせていただきました。

熱海の原型の上演ということで、ここからたくさんの作品ができていったのだなあ、と感慨にふける部分あり。
正直、今時の小ネタや、お遊びのシーンはどうかと思ったのだが、作品の持つ力っていうのはすごいものだと痛感。
やっぱり冒頭のシーンやパピオンのシーン、「カーステレオから」のシーン、などなど熱海の名場面が繰り広げられるところは何度見ても楽しかった。圧倒された。

でも、つかさん亡き後のつか芝居を見るにつけ、やっぱりつかさんはもういなくなってしまったのだということを何度も知らされる。
もちろん作品は今も生き生きとしているのだが、せめてつかさんの台詞はつかさんに少なからず口立てしてもらった人に言っていただきたい。岡村演出じゃあちょっと厳しいよ…。

さて細かい話。

全般的な話を言うと、やっぱり時代的にこの古い作品は、特に若い柳下くんやハセキョーには理解できなかったのじゃないかと思う。
製糸工場の女工とか言われても、わたしだって白黒の蚕から糸ひいてる映像くらいでしか見てないもん。
だから労働者の底辺というのが殺人動機のきっかけの一つになっている今作品は、それを理解していない二人による熱海のシーンでちぐはぐなものになってしまった。
もちろん二人とも頑張ってはいるのだが、でもその心情を理解できなかったら、ダメとしかいいようがない。
この辺りどうにかならなかったのか?
岡村さんの原作のままやりたいという気持ちは分かるのだが、それにしてはEXILEとか歌わせたり、もうちょっといろいろ考えようよ、というか。

某所にも書いたのだが、上記に関連して大山の殺人の動機付けについても非常に気になった。
(以下その文章そのまま)

大山はアイ子のことをちょっと卑下してるっていうか、ああいう普通の「好き」って感情じゃないと思うんだよ。
自分もアイ子も、労働者の底辺みたいなところで働いていて、自分に釣り合うのはアイ子程度ってあきらめてて、まあ好きには好きなんだけど、打算っていうか、自分の人生への諦めもあると思うんだよ。
それがああいうストレートな恋愛話になっちゃうと「ちょっと違うよな」って思っちゃう。
細かいところだと、腰紐回さないと殺せないだろ、っていうところとかね。

設定がいじれないんだから、もっと田舎っぽくできる人を連れてくれば良かったのに。
大山にこんなにのめり込めないのは初めてと言ってもいい。やっぱり、あそこ難しいんだな。
ぽっかりあそこだけ空虚な感じがしちゃって、熱海のあの少数精鋭のパズルのパーツが埋まらないという、そんな片手落ちな感じがした。
つかさん演出ならどうにかなったのかもしれないけど、岡村さんじゃね。ちょっと無理か。

ハセキョーもなかなかすごかったな。あの声はどうにかならんもんかね?
なんでああいうわざと作りましたって声になっちゃうのかな?ビックリしちゃう。
ハナ子をやっても、アイ子をやっても、全然一緒で、あれじゃあ犯人落ちねーよ、っていう(苦笑)。

銀ちゃんの伝兵衛は、思っていたよりも良かった。
さすがに年齢設定はどうかと思うけど、つかさんの台詞たちだなーというか。
もうちょっと下衆でも良かったと思うけどね。
武田さんはほんと良かった。武田さん、ほんとにつかさん好きだったんだろうな〜って涙が出たよ。

公演:紀伊國屋つかこうへい復活祭「熱海殺人事件NEXT~くわえ煙草伝兵衛捜査日誌~」
場所:紀伊國屋ホール
日程:2月4日~2月14日
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:山崎銀之丞・長谷川京子・柳下大・武田義晴
座席:D列センターブロック 2,500円
時間:2時間

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